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麦畠
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むぎばたけ
ふりがな文庫
“
麦畠
(
むぎばたけ
)” の例文
旧字:
麥畠
「不景気なことを言ってらあ。
麦畠
(
むぎばたけ
)
の中へ
引
(
ひっ
)
くりかえって、青天井で寝た処で、
天窓
(
あたま
)
が一つ重くなるようなんじゃあないよ、鍛えてあらあな。」と
昂然
(
こうぜん
)
たり。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その下が
麦畠
(
むぎばたけ
)
で、麦畠の向うがまた岡続きに高く
蜿蜒
(
うねうね
)
しているので、北側の
眺
(
なが
)
めはことに
晴々
(
はればれ
)
しかった。
須永
(
すなが
)
はこの空地の
端
(
はし
)
に立って広い眼界をぼんやり見渡していた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
午
(
ひる
)
近く、ようやく、
遥
(
はる
)
か前方の
真青
(
まっさお
)
な
麦畠
(
むぎばたけ
)
の中の道に一団の人影が見えた。その中で特に際立って丈の高い孔子の姿を認め得た時、子路は
突然
(
とつぜん
)
、何か胸を
緊
(
し
)
め付けられるような苦しさを感じた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
浅々と青く
萌初
(
もえそ
)
めた
麦畠
(
むぎばたけ
)
の側を通りますと、丁度その畠の土と同じ顔色の
農夫
(
ひゃくしょう
)
が
鍬
(
くわ
)
を休めて、私共を仰山らしく
眺
(
なが
)
めるのでした。北国街道は小諸へ入る広い一筋道。
其処
(
そこ
)
まで来れば楽なものです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
崖
(
がけ
)
の上の
麦畠
(
むぎばたけ
)
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
と
端
(
はし
)
へかけた手を手帳に控えて、
麦畠
(
むぎばたけ
)
へ
真正面
(
まっしょうめん
)
。話をわきへずらそうと、
青天白日
(
せいてんはくじつ
)
に身構えつつ
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
久しく見ずにいた郊外の
景色
(
けしき
)
も忘れ物を思い出したように
嬉
(
うれ
)
しかった。眼に入るものは青い
麦畠
(
むぎばたけ
)
と青い大根畠と
常磐木
(
ときわぎ
)
の中に赤や黄や褐色を雑多に交ぜた森の色であった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またこの
橿原
(
かしわばら
)
というんですか、山の
裾
(
すそ
)
がすくすく
出張
(
でば
)
って、大きな
怪物
(
ばけもの
)
の土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ
苗代田
(
なわしろだ
)
麦畠
(
むぎばたけ
)
などを、
引銜
(
ひっくわ
)
えた形に見えます。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この路を
後
(
あと
)
へ取って返して、今
蛇
(
へび
)
に
逢
(
あ
)
ったという、その
二階屋
(
にかいや
)
の
角
(
かど
)
を曲ると、左の方に
脊
(
せ
)
の高い
麦畠
(
むぎばたけ
)
が、なぞえに低くなって、一面に
颯
(
さっ
)
と拡がる、
浅緑
(
あさみどり
)
に
美
(
うつくし
)
い
白波
(
しらなみ
)
が
薄
(
うっす
)
りと
靡
(
なび
)
く
渚
(
なぎさ
)
のあたり
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前は一面の
麦畠
(
むぎばたけ
)
。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
麦
常用漢字
小2
部首:⿆
7画
畠
漢検準1級
部首:⽥
10画
“麦”で始まる語句
麦酒
麦藁
麦
麦稈
麦藁帽
麦稈帽
麦藁帽子
麦畑
麦秋
麦稈帽子