“物馴”の読み方と例文
読み方割合
ものな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お島のきびきびした調子と、蓮葉はすはな取引とが、到るところで評判がよかった。物馴ものなれてくるに従って、お島の顔は一層広くなって行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
兵法ひょうほうに曰く柔よく剛を制すと、深川夫人が物馴ものなれたるあつかいに、妖艶ようえんなる妖精ばけもの火焔かえんを収め、静々と導かれて、階下したなる談話室兼事務所にけり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アイヌの郷土細工の糸巻から、弟の着物と似合ひの色糸を見付けて、針のめどへ通した。それからいかにも物馴ものなれた調子でほころびをつくろひにかゝつた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)