“ものな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
物馴94.4%
物慣5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アイヌの郷土細工の糸巻から、弟の着物と似合ひの色糸を見付けて、針のめどへ通した。それからいかにも物馴ものなれた調子でほころびをつくろひにかゝつた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「おい、あすこに椅子が二ついている」と物馴ものなれた中野君は階段を横へ切れる。並んでいる人は席を立って二人を通す。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
初子は物慣ものなれた口ぶりで、彼女を俊助に紹介した。辰子は蒼白いほおの底にかすかな血の色を動かして、しとやかに束髪そくはつの頭を下げた。俊助も民雄の肩から手を離して、叮嚀ていねいに初対面の会釈えしゃくをした。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)