前曲まえこご)” の例文
記者は玉子色の外套の隠袖かくしへ両手を入れたまま、反返そりかえって笑った。やがて、すこししおれて、前曲まえこごみに西の方をのぞくようにしながら
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
豊世は姑から細い銀の煙管きせるを借りて、前曲まえこごみに煙草をふかしてみながら、話を聞いている。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)