前跼まえこご)” の例文
鷺太郎が、その小径を下の草叢にまで下りたち、もう一度、前跼まえこごみになって、あたりを見透かした時だった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
そして空いた袋や籠をくくりつけた天秤棒てんびんぼうを担ぎ、少し前跼まえこごみになってさっさと帰っていった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして前跼まえこごみになって、何か捜しているようだったが、それは、崖を下る小径だったと見えて、やがて、その二人の白服しろふくは、するすると真黒い草叢くさむらの中へ消えてしまった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)