燃ゆる頬もゆるほお
私は十七になつた。そして中學校から高等學校へはひつたばかりの時分であつた。 私の兩親は、私が彼等の許であんまり神經質に育つことを恐れて、私をそこの寄宿舍に入れた。さういふ環境の變化は、私の性格にいちじるしい影響を與へずにはおかなかつた。それ …
題名が同じ作品
燃ゆる頬 (新字新仮名)堀辰雄 (著)