“手触”のいろいろな読み方と例文
旧字:手觸
読み方割合
てざわ45.0%
てざは15.0%
たふ10.0%
てざわり10.0%
たふり5.0%
てさは5.0%
てさはり5.0%
てざはり5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すみには黒塗の衣桁いこうがあった。異性に附着する花やかな色と手触てざわりのすべこそうな絹のしまが、折り重なってそこに投げかけられていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
持山 (鞄から紙幣貨幣を掴み出し)さつきと、手触てざはりが違はあ。おや、案外、集めたぞ。(一同のぞき込む)待てよ。先づ、分類してみよう。
雅俗貧困譜 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
そのごともふる子が眼を乞ひむと手触たふりなげかす父は子が眼を
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼の上着には腰のあたりにボタンが二つ並んでいて、胸はいたままであった。霜降の羅紗ラシャも硬くごわごわして、極めて手触てざわりあらかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
背は向けてやいとこらふる若葉どき妻が手触たふりしじるかも
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蝮よ、蝮よ、やはらかな、あつつめたい手触てさはりの
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なやみのいと手触てさはりのにほひのおもさ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
牢屋でこさへる物にも色々ある。そのなかで手錠は少し気味が悪かつたし、加之おまけに銀貨や女の鼻先と同じやうに手触てざはりが冷た過ぎた。だが、旋毛つむじ曲りのゴリキイは顔を顰めてそれを受取つた。