サハ)” の例文
旧字:
サハつても触つても、巌ばかりである。手をノバすと、更に堅い巌が、掌に触れた。脚をひろげると、もつと広い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
下水道スヰドにはまるとか、糞を踏むとか、泥を握るとかした時は「びゞ※ちょにさぁ(サハ)ろまい。石・金踏んどこ(<で置かう)」又は「石・金持っとこ」と言ふ。びゞ※ちょは穢れた人と言ふ意。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
でもおまへさまは、尊いオン神に仕へてゐる人だ。おれのからだに、サハつてはならない。そこに居るのだ。ぢつとそこに、トマつて居るのだ。——あゝおれは、死んでゐる。死んだ。殺されたのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)