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彼樣
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あゝ
ふりがな文庫
“
彼樣
(
あゝ
)” の例文
新字:
彼様
『むう、斯の手紙はなか/\好く出來た』なんて小父さんは私を勵ました後で、是處は斯う書けとか、彼處は
彼樣
(
あゝ
)
直せとか言つて呉れました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『ほんとはそれ許りぢやありませんの。若しか先生が、私に
彼樣
(
あゝ
)
言つて置き乍ら、御自分はお
遣
(
や
)
りにならないのですと、私許り詰りませんもの。』
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
全くは私に御飽きなされたので
此樣
(
かう
)
もしたら出てゆくか、
彼樣
(
あゝ
)
もしたら離縁をと言ひ出すかと
苦
(
いぢ
)
めて苦めて苦め拔くので御座りましよ、御父樣も御母樣も私の性分は御存じ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此盛岡に來たのは、
何日
(
いつ
)
からだか解らぬが、此頃は毎日
彼樣
(
あゝ
)
して人の門に立つ。そして、云ふことが何時でも『お
頼
(
だん
)
のまうす、腹が減つて、』だ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
全
(
まつた
)
くは
私
(
わたし
)
に
御飽
(
おあ
)
きなされたので
此樣
(
こう
)
もしたら
出
(
で
)
てゆくか、
彼樣
(
あゝ
)
もしたら
離縁
(
りゑん
)
をと
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すかと
苦
(
いぢ
)
めて
苦
(
いぢ
)
めて
苦
(
いぢ
)
め
拔
(
ぬ
)
くので
御座
(
ござ
)
りましよ、
御父樣
(
おとつさん
)
も
御母樣
(
おつかさん
)
も
私
(
わたし
)
の
性分
(
せうぶん
)
は
御存
(
ごぞん
)
じ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
遠く過去つた記憶を辿つて見ると、私達の世界は朦朧としたもので、
五歳
(
いつつ
)
の時には斯ういふことが有つた、
六歳
(
むつつ
)
の時には
彼樣
(
あゝ
)
いふことが有つた、とは言へないやうな氣もします。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
斯樣
(
こん
)
な宿ぢや解らないサ。」とK君は笑つた。「料理屋へでも行つて
飮食
(
のみくひ
)
して見なけりや——僕はよく
左樣
(
さう
)
思ふよ、其土地土地の色は
彼樣
(
あゝ
)
いふ場所へ行つて見ると、一番よく出てる。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其昔、町でも一二の濱野屋の女主人として、十幾人の下女下男を使つた祖母が、癒る望みもない老の病に、
彼樣
(
あゝ
)
して寢てゐる心は怎うであらう! 人間の一生の悲痛が時あつて智惠子の心を脅かす。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それから三十年あまりの今日まで、どうかして私は
彼樣
(
あゝ
)
いふ味噌汁を今一度吸ひたいと思つて、幾度同じやうに造らせて見るか解りませんが、二度と彼の味を思出させるやうなのには
遭遇
(
であ
)
ひません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
樣
部首:⽊
15画
“彼”で始まる語句
彼
彼方
彼奴
彼女
彼処
彼方此方
彼岸
彼様
彼是
彼等