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吁
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あゝ
ふりがな文庫
“
吁
(
あゝ
)” の例文
吁
(
あゝ
)
、当年豪雄の戦士、官軍を悩まし奥州の気運を支へたりし快男子、今は即ち
落魄
(
らくはく
)
して主従唯だ二個、異境に
彷徨
(
はうくわう
)
して漁童の嘲罵に
遭
(
あ
)
ふ。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
尊い上人様の御慈悲は充分了つて居て露ばかりも難有う無は思はぬが、
吁
(
あゝ
)
何
(
どう
)
にも
彼
(
かう
)
にもならぬことぢや、相手は恩のある源太親方、それに恨の向けやうもなし
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ほんに御門の前を通る事はありとも木綿着物に毛繻子の
洋傘
(
かうもり
)
さした時には見す/\お二階の簾を見ながら、
吁
(
あゝ
)
お關は何をして居る事かと思ひやるばかり行過ぎて仕舞まする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
関白家の罪は関白の例を引き行はる
可
(
べ
)
きの事、
尤
(
もつと
)
も理の正当なるべきに、
平人
(
へいにん
)
の妻子などのやうに、今日の
狼藉
(
らうぜき
)
甚だ以て自由なり、
行末
(
ゆくすゑ
)
めでたかるべき政道にあらず、
吁
(
あゝ
)
、因果のほど御用心候へ
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ほんに
御門
(
ごもん
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
る
事
(
こと
)
はありとも
木綿着物
(
もめんきもの
)
に
毛繻子
(
けじゆす
)
の
洋傘
(
かふもり
)
さした
時
(
とき
)
には
見
(
み
)
す/\お二
階
(
かい
)
の
簾
(
すだれ
)
を
見
(
み
)
ながら、
吁
(
あゝ
)
お
關
(
せき
)
は
何
(
なに
)
をして
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
かと
思
(
おも
)
ひやるばかり
行過
(
ゆきす
)
ぎて
仕舞
(
しまひ
)
まする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
彼処
(
かしこ
)
にホーマーあり、シヱークスピーアあり、彗星の天系を乱して行くはバイロン、ボルテーアの徒、流星の飛び且つ消ゆるは
泛々
(
はん/\
)
たる文壇の小星、
吁
(
あゝ
)
、悠々たる天地、限なく窮りなき天地
一夕観
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
左のみ珍らしいとは思ひませぬけれど出際に召物の揃へかたが惡いとて如何ほど詫びても聞入れがなく、
其品
(
それ
)
をば脱いで
擲
(
たゝ
)
きつけて、御自身洋服にめしかへて、
吁
(
あゝ
)
、
私
(
わし
)
位不仕合の人間はあるまい
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
汝の耳には兵隊の
跫音
(
あしおと
)
を以て最上の音楽として満足すべし、汝の眼には芳年流の美人絵を以て最上の美術と認むべし、汝の口にはアンコロを以て最上の珍味とすべし、
吁
(
あゝ
)
、汝、詩論をなすものよ、汝
漫罵
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
左
(
さ
)
のみ
珍
(
めづ
)
らしいとは
思
(
おも
)
ひませぬけれど
出際
(
でぎは
)
に
召物
(
めしもの
)
の
揃
(
そろ
)
へかたが
惡
(
わる
)
いとて
如何
(
いか
)
ほど
詫
(
わ
)
びても
聞入
(
きゝい
)
れがなく、
其品
(
それ
)
をば
脱
(
ぬ
)
いで
擲
(
たゝ
)
きつけて、
御自身
(
ごじゝん
)
洋服
(
ようふく
)
にめしかへて、
吁
(
あゝ
)
、
私位
(
わしぐらゐ
)
不仕合
(
ふしあはせ
)
の
人間
(
にんげん
)
はあるまい
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吁
漢検1級
部首:⼝
6画
“吁”を含む語句
長吁
嗟吁
吁嗟
吁々
咈吁
噫吁
噫吁戯