“其品”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
それ87.5%
そのしな12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「俺もさっきは、土間の隅で待ちながら、思わず、貰い泣きをしていたが、なんだか、其品それは刀だという話じゃないか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて其品それを無残や余所の蔵に籠らせ、幾干かの金懐中に浅黄の頭巾小提灯、闇夜も恐れず鋭次が家に。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
請取し時さし出したるなりと云にしかと夫に相違なきやと申せば然樣さやうに御座りますと云時原田シテ其脇差わきざしは何所からかつた其賣口は知て居樣ゐやうなと云れ治助は甚だ氣味わるく思ひながら其品そのしなは稻荷町の十兵衞と申者の宿やどに於てきよ月のいち買取かひとりたり然し其節は二十品ばかりの買物かひものにて賣主はたれやらしかとは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
隱しませう其品そのしな葬禮さうれいの時のをさめ物なれども然樣さやう申上なば御うたがひがかゝらうかと存じ重代ぢうだいの品と申上しかどじつ死人しにんをさめ物なりと申ければ役人扨々さて/\なんぢは不屆き者なり此脇差は中仙道なかせんだう鴻の巣の鎌倉屋金兵衞と云者の所持しよぢの品にて其子分なる練馬ねりまとう兵衞と云者に貸遣かしつかはしたる脇差なり然る所其みぎ藤兵衞ほか二人の行衞ゆくゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)