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貸遣
読み方 | 割合 |
かしつかは | 50.0% |
かしつか | 50.0% |
萬事引受居る
由如何なる
譯にて文右衞門の
質物而已五ヶ月限りに
貸遣したるや此儀申立てよと申さるゝに久兵衞は
貸遣せし者はなきやと有に道庵は
暫時考へ別に是ぞと申者も御座
無候へども
貧困人は三四人迄出入致し申候其者の名前一人は
先妻の
甥源次郎と申只今本郷
金助町に罷り在當年四十五六歳に相
成家内
困窮には候へども
正直者にて金子
貸遣し候ても
約束の時日には
屹度返濟致し殊に當時御小人目付を
貸遣はし世話致し候ひしに兩三年
過右當人平右衞門
死去致し跡には
女房お三と申
婆と娘の兩人に
相成しがお三婆は
産の
取揚を
家業とし娘を
育てしが追々
成長するに
隨ひ
針仕事を
越前守殿見られ
家持五兵衞其方は質屋渡世とあるが
質物は何ヶ月限りに
貸遣はすやと申されければ五兵衞は
平伏なし御定法通り八ヶ月
限に預り置候と申に越前守殿然らば浪人大橋文右衞門が
質物ばかり五ヶ月限り
流れに
出せし由是には何か
仔細の有ことなるや
有體に申立よと云れしかば五兵衞は