“朧々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おぼろおぼろ46.2%
おぼろ/\23.1%
ろうろう19.2%
ろう/\11.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朧々おぼろおぼろも過ぎず、廓は八重桜のさかりというのに、女が先へ身を隠した。……櫛巻くしまきつましろく土手の暗がりを忍んで出たろう。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つきかげかげともしびかげゆきはな朧々おぼろ/\のあかりにも、かげのないひまはなし……かげあれば不氣味ぶきみさ、可厭いやさ、可恐おそろしさ、可忌いまはしさに堪兼たへかねる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
五日の月松にかかりて、朧々ろうろうとしたる逗子の夕べ、われを送りてかどに立ちで、「早く帰ってちょうだい」と呼びし人はいずこぞ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
土の上はしっとりと湿しめっていて、空気の肌ざわりはつめたいのだけれども、空は弥生やよいのものらしくうっすらと曇って、朧々ろう/\と霞んだ月が花の雲を透して照っているので
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)