“朧染”の読み方と例文
読み方割合
おぼろぞめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは年増としまの奥様風の美人であったろうというようにも見たり、また妙齢の処女だろうと見立てるものもあったり、その衣裳もまた、曙色あけぼのいろの、朧染おぼろぞめの、黒い帯の、繻子しゅすの、しゅちんのと
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
嵯峨さがやおむろの花ざかり、浮気な蝶も色かせぐ、くるわのものにつれられて、外めずらしき嵐山、ソレ覚えてか、きみさまの、袴も春の朧染おぼろぞめ、おぼろげならぬ殿ぶりを、見初みそめて、そめて、恥かしの
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その腰から裾へ朧染おぼろぞめのように、すすき尾花が透いてうつりました。そうしてなんらの音もなく、風の過ぎ去るようにお徳の前を通ると、二三間の距離を置いて松原さして歩んで行きます。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)