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朧々
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おぼろおぼろ
ふりがな文庫
“
朧々
(
おぼろおぼろ
)” の例文
朧々
(
おぼろおぼろ
)
の
夜
(
よ
)
も過ぎず、廓は八重桜の
盛
(
さかり
)
というのに、女が先へ身を隠した。……
櫛巻
(
くしまき
)
が
褄
(
つま
)
白
(
しろ
)
く土手の暗がりを忍んで出たろう。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
面
(
おもて
)
八句を庵の柱に懸置き、
弥生
(
やよひ
)
も末の七日、明ぼのゝ空
朧々
(
おぼろおぼろ
)
として、月は有明にて光をさまれるものから、
不二
(
ふじ
)
の峰かすかに見えて、上野
谷中
(
やなか
)
の花の
梢
(
こずえ
)
またいつかはと心細し。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
川面
(
かわも
)
を這う白いものに、もう相互の舟影は、
朧々
(
おぼろおぼろ
)
になっていた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朧々
(
おぼろおぼろ
)
の物影のやをら浸み入り広ごるに
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
伏して思ふ
朧々
(
おぼろおぼろ
)
の昔かな
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
……だもの、
記憶
(
おぼえ
)
も何も
朧々
(
おぼろおぼろ
)
とした中に、その悲しいうつくしい人の姿に薄明りがさして見える。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朧々
(
おぼろおぼろ
)
に
父母
(
ちちはは
)
は
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは冷たかったけれども、
小春凪
(
こはるなぎ
)
の日の
余残
(
なごり
)
に、薄月さえ
朧々
(
おぼろおぼろ
)
と底の暖いと思ったが、道頓堀で小休みして、やがて太左衛門橋を練込む頃から、
真暗
(
まっくら
)
になったのである。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冴えた音を入れると、鶯のほうと立つ、膳の上の
陽炎
(
かげろう
)
に、電気の光が
和
(
やわら
)
いで、
朧々
(
おぼろおぼろ
)
と春に返る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
というもので、
筵
(
むしろ
)
を並べて、笠を
被
(
かぶ
)
って坐った、山茱萸、山葡萄の
婦
(
おんな
)
どもが、
件
(
くだん
)
のぼやけさ加減に何となく誘われて、この姿も、またどうやら
太陽
(
ひ
)
の色に
朧々
(
おぼろおぼろ
)
として見える。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
放して
退
(
すさ
)
ると、別に
塀際
(
へいぎわ
)
に、
犇々
(
ひしひし
)
と材木の
筋
(
すじ
)
が立って並ぶ中に、
朧々
(
おぼろおぼろ
)
とものこそあれ、学士は自分の影だろうと思ったが、月は無し、
且
(
か
)
つ我が足は
地
(
つち
)
に釘づけになってるのにも
係
(
かかわ
)
らず、
影法師
(
かげぼうし
)
は
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朧々
(
おぼろおぼろ
)
の大路小路。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朧
漢検1級
部首:⽉
20画
々
3画
“朧”で始まる語句
朧
朧気
朧月
朧夜
朧月夜
朧銀
朧氣
朧染
朧蓑
朧朧