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朧々
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おぼろ/\
月の
影、
日の
影、
燈の
影、
雪、
花の
朧々のあかりにも、
見て
影のない
隙はなし……
影あれば
其の
不氣味さ、
可厭さ、
可恐しさ、
可忌しさに
堪兼ねる。
何處から何處までとその周圍も解らないが、兎に角
朧々とその水面の一部が輝いてゐるのである。
此消息は
人目の
關の
憚りもなく、
玉簾やすやす
越えて、
見るは
邂逅なる
令孃の
便りを
敏は
日毎に
手に
取るばかり、
事故ありげなる
心の
底も、
此處にはじめて
朧々わかれば
朧々の物影のやをら浸み入り
廣ごるに
放して
退ると、
別に
塀際に、
犇々と
材木の
筋が
立つて
並ぶ
中に、
朧々とものこそあれ、
學士は
自分の
影だらうと
思つたが、
月は
無し、
且つ
我が
足は
地に
釘づけになつてるのにも
係らず、
影法師は