“ろうろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
朗々31.8%
朧々22.7%
浪々9.1%
踉々9.1%
浪浪4.5%
浪牢4.5%
牢浪4.5%
琅々4.5%
老狼4.5%
﨟々4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卒業免状でも渡す時の様に、こえおごそかに新郎新婦を呼び出して、テーブルの前に立たせた。そうして媒妁は自身愛読する創世記そうせいきイサク、リベカ結婚の条を朗々ろうろうと読み上げた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
朧夜の野道の化物も、草履取が一足先に廻って、そんな悪戯いたずらをするのではないかと思うが、もとより想像に過ぎぬ。万事春の夜の朧々ろうろうたる中にまかして置いて差支ない。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
青砥が浪々ろうろうの身で、牛を呶鳴どなり、その逸事が時頼の耳にはいり、それは面白い男だという事になって引付衆にぬきんでられたのである。すなわち、川の中で小便をしている牛を見て青砥は怒り
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
小脇差で、たった一打ちに、お八重の首を、ぶらんと、斬って伏せた一角は、どっどと、いかずちにあわせて鳴る大谷川の激潭げきたんのふちを、蹌々そうそうと——踉々ろうろうと——刃の血を、雨に、洗わせながら歩いて行く。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平兵衛は浮田秀秋うきたひであきの家臣であったが、その秀秋が関ヶ原の一戦に失敗したので、彼も浪浪ろうろうの身となって加賀の知人を頼って来ているところであった。
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
朝来ちょうらいひるを過ぎても、諸方から麾下きかに集まって来る兵は相当あったが、いずれも近畿の小武門や浪牢ろうろうの徒で、いわば、名もなきやからが出世のいとぐちを求めて来るに過ぎなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
良人の正成は小早川秀秋こばやかわひであきに仕えていたが、関ヶ原の役にやぶれて牢浪ろうろうの果て、妻のお福は二代将軍秀忠の息竹千代の乳人めのとになって柳営りゅうえいにあがった。有名な老女春日局かすがのつぼねはこの女性なのである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくすること毎日少しも変わらず、例刻に到り米舂こめつき場のあたり田畑のあぜ琅々ろうろうの声聞うれば、弟玉木文之進(松陰の叔父なり)常に笑って曰く、「ヤアまた兄さんのが始まった」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ある時は深山しんざんに迷い込みて数千すせんおおかみかこまれ、一生懸命の勇をならして、その首領なる老狼ろうろうを引き倒し、上顎うわあご下顎したあごに手をかけて、口より身体までを両断せしに、の狼児は狼狽ろうばいしてことごと遁失にげう
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
齢は四十に近いだろうが、﨟々ろうろうとして美しい。はて、どうもこれは純粋の白人ではないな。と、思ったがなんの記憶もない。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)