良人あなた)” の例文
何とでござんす良人あなたと、この頃の信用恢復に、鼻もたかだかさし付くるつもりなりしに、青菜に塩のそれならぬ、生素麺に水の奇特。
今様夫婦気質 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
清「それだって良人あなた、これに頼むより他に仕方がございません、それに右内は家出をする時、うちのお金を廿金持って逃げておいでだよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
存じながらどうしに請取おき申すべき疑ひ給ふもしなにこそよれ實に私しは存ぜぬことなりさつするところ市之丞殿も折角せつかく持參ぢさんいたされたる金子ゆゑ良人あなたが御受取なきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「どんなに申しても、良人あなたはやっぱり甘くなさいますよ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
照「人違いで敵だと云って斬込むとは人違いにも程がある、何ぼ年がかぬと云って、斬ってしまったあとで人違いで済みますか、良人あなたはお怪我は有りませんか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はなすべしと云に女房にようばうお政はをつとの歸りしを見て是は好所よきところへ御歸りなり今久兵衞さんが來られて餘り無法むはふな事を言懸いひかけらるゝにより思はず大きな聲を出せしなり其譯そのわけ一昨日をとゝひ良人あなた質物しちもつの日延を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかりつけしにお政は驚きこれは/\餘りに御推量ごすゐりやうすぎたり良人あなた御氣象ごきしよう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
清「何を仰しゃいます、多助を遣って良人あなたどうなさいますえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)