“言懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いひかけ20.0%
いひがか20.0%
いいかか20.0%
いひか20.0%
いひがかり20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言懸いひかけられお菊は口惜くやしきこと限りなく屹度きつとひざを立直し是は思ひも依ぬ事をおほせらるゝものかな云掛いひかゝりされるも程がある勿體もつたいない母樣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
返せし處は實に頼母敷たのもしき心底しんていなるが今のはなしの樣子やうすにては其大橋氏へ百兩の金が紛失ふんじつしたと言懸いひがかりし油屋の番頭こそ不屆ふとゞきなるやつなれ浪人しても帶刀たいたうする身が盜賊たうぞく惡名あくみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「今朝ほど、背負上しょいあげを高くいたして、草鞋わらじ穿きましてね、花籃はなかごを担ぎました、容子ようすい、美しい姉さんが、あの小さなお扇子を手に持って、」と言懸いいかかると、何と心得たものか
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
談話だんわ次手ついでに松川が塾の荒涼たるをかこちしより、予は前日藪をけんせし一切いつさいを物語らむと、「実は……」とわづか言懸いひかけける、まさに其時、啾々しう/\たる女の泣声なきごえ、針の穴をも通らむず糸より細く聞えにき。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すまさん程にサア/\素直すなほに御返しあれとおもひよら言懸いひがかりに女房お政は大に驚きりやマア久兵衞さん途方とはうもない百兩の金子をば文右衞門がとりしなどとは跡形あとかたもなき云懸いひがか假令たとへ戲談じようだんにもせよ然樣の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)