言懸いひがか)” の例文
返せし處は實に頼母敷たのもしき心底しんていなるが今のはなしの樣子やうすにては其大橋氏へ百兩の金が紛失ふんじつしたと言懸いひがかりし油屋の番頭こそ不屆ふとゞきなるやつなれ浪人しても帶刀たいたうする身が盜賊たうぞく惡名あくみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
受出せしならんなどと跡形あとかたもなき言懸いひがかりを申すゆゑしちを請出したるは市之丞より遣はしたる金子なりと其譯そのわけを申せしかども一かうに聞入ず終にをつとに向ひ盜賊たうぞくよばはりを致すゆゑをつとはらすゑかね既に久兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女とあなどりて當事あてこともなき言懸いひがかり成程一夜の中に金の出來たるを不思議ふしぎいはるれど夫は只今も申せし通り新藤市之丞がもつて來たる金なるに御前は何と思ひしにや無體むたいふも程があるとお政は無念むねん切齒はがみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)