“愚息”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぐそく50.0%
せがれ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小松殿まゆを顰め、『何事ぞ』と問ひ給えば、茂頼は無念の顏色にて、『愚息ぐそく時頼』、と言ひさして涙をはらはらと流せば、重景は傍らより膝を進め、『時頼殿に何事の候ひしぞ』。『遁世とんせい致して候』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「はあ、ただ愚息ぐそくに勤まりましょうかどうかと案じております」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その問いの見当を定めかねたる山木はしきりにかしらを下げつつ「はッ。愚息せがれ一人ひとりに——娘が一人でございまして、何分お引き立てを——」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ラクダルは無言むごんのまゝ手眞似てまね其處そこすわらした。親父おやぢ當前あたりまへすわる、愚息せがれはゴロリころんであし蹈伸ふみのばす、この臥轉ねころかた第一だいゝち上出來じやうできであつた。三人さんにんそのまゝ一言ひとことはつしない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)