“せがれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
39.5%
30.6%
18.2%
7.7%
子息0.7%
0.5%
豚児0.5%
嗣息0.4%
息子0.4%
愚息0.4%
(他:6)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いえ、そんな事ではございません。せめてはせがれ弥三郎やさぶろうでも、いてくれればと思うのでございますが、……」
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は独りひざまずき、泣いて祈り、己の至らざる故にせがれを神の罪人としたことを自ら激しく責め、且つ神にびた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それはあの古狸が、秀秋いまだそむかざる前にせがれめに計られて口惜くやしい口惜しいと憤って指を噛んだということだ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ほんでえ、俺家おらえ婆様ばんさまにも豆買いでもさせんべかな。」とお婆さんのせがれの治助は笑いながら言った。
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
孝「オヽお母様かゝさまお見忘れでございましょうが、十九年以前、手前四歳の折お別れ申したせがれの孝助めでございます」
うくもちはさんで塵紙ちりがみうへせてせがれ幸之助かうのすけへ渡して自分も一つ取つて
房氏銀三十両を結納金に貰うて衛氏に改嫁し、更にその金を結納としてせがれ可立のために呂月娥てふ十八歳のよめを迎えた。
左衞門はさもありなんと打點頭うちうなづき、『それでこそ茂頼がせがれ、早速の分別、父も安堵したるぞ、此上の願とは何事ぞ』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
子息せがれの帰るまでに、なるべく養生所の準備もしておいてやりたいし、帰ればすぐに、花世との婚儀じゃ。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年のころ四十ぐらいの品のいい丸髷まるまげった母親が、裁物板たちものいたを前に、あたりにはさみ、糸巻き、針箱などを散らかして、せっせと賃仕事をしていたが、障子があいて、子息せがれの顔がそこにあらわれると、
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
此時 御領主より彦右ヱ門せがれへ米五俵、浅右ヱ門さいへ米五俵たまはりし事をしるしあり。
此時 御領主より彦右ヱ門せがれへ米五俵、浅右ヱ門さいへ米五俵たまはりし事をしるしあり。
百樹曰、余丁酉の年の晩夏豚児せがれ京水をしたがへて北越にあそびし時、三国嶺みくにたふげこえしは六月十五日なりしに、谷のそこに鶯をきゝて、
百樹曰、余丁酉の年の晩夏豚児せがれ京水をしたがへて北越にあそびし時、三国嶺みくにたふげこえしは六月十五日なりしに、谷のそこに鶯をきゝて、
其响そのひゞきらいの如く、百姓彦右ヱ門浅右ヱ門の両家りやうけなだれにうたれて家つぶれ、彦右ヱ門并に馬一疋即死そくしさい嗣息せがれは半死半生、浅右ヱ門は父子即死
其响そのひゞきらいの如く、百姓彦右ヱ門浅右ヱ門の両家りやうけなだれにうたれて家つぶれ、彦右ヱ門并に馬一疋即死そくしさい嗣息せがれは半死半生、浅右ヱ門は父子即死
与平よへいという親仁おやじは、涅槃ねはんったような形で、どうに寝ながら、仏造ほとけづくったひたいを上げて、汗だらけだけれども目の涼しい、息子せがれ地蔵眉じぞうまゆの、愛くるしい、若い顔を見て、嬉しそうにうなずいて、
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
與平よへいといふ親仁おやぢは、涅槃ねはんつたやうなかたちで、どうながら、佛造ほとけづくつたひたひげて、あせだらけだけれどもすゞしい、息子せがれ地藏眉ぢざうまゆの、あいくるしい、わかかほて、うれしさうにうなづいて、
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その問いの見当を定めかねたる山木はしきりにかしらを下げつつ「はッ。愚息せがれ一人ひとりに——娘が一人でございまして、何分お引き立てを——」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
親父おやぢ當前あたりまへすわる、愚息せがれはゴロリころんであし蹈伸ふみのばす、この臥轉ねころかた第一だいゝち上出來じやうできであつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
危険と言ふのは其処である、卵の如き青年の頭脳へ、社会主義など打ち込んで如何どうするつもりであるか、ツイ先頃もわし子女等こどもらの室を見廻はると、長男せがれの剛一が急いで読んで居た物を隠すから、無理に取り上げて見ると
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
上結東かみけつとうは廿九軒有)此村に市右エ門とて村中第一の大家あり、幸ひ案内者の知る人なれば宿やどりをもとめたち入りて見るに、四けんに六間ほどの住居すまゐ也、主人夫婦あるじふうふ老人らうじんにて、長男せがれは廿七八、次に娘三人あり。
平生いつもの通りきいてらツしやるでせう、自分がひ出されると内定きまつて、印刷までしたプログラムから弁士の名まで削られたんでせう、普通の人で誰がソンな所へ行くものですか、先頃も与重せがれが青年会のことで篠田様に何か叱かられて帰つて来ましてネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
世息せがれ布子ぬのこぬぎて父の死骸しがいうでをそへてなみだながらにつゝみ脊負せおはんとする時
○こゝに何村なにむらといふ所に家内の上下十人あまりの農人のうにんあり、主人あるじは五十歳ばかりつまは四十にたらず、世息せがれ二十はたちあまり娘は十八と十五也。
あんなにちっぽけな、瘠せた小伜せがれであった浩が、自分より大きな、ガッシリと頼もしげな若者になっているのを、むさぼるように見ると、
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
すむ塩沢しほさはとほからざる村の農夫のうふせがれ一人あり、篤実とくじつにしてよくおやつかふ。
しうとかたはらにありて、そはよき事也せがれも行べし、実母ばゝどのへもまごを見せてよろこばせ夫婦ふうふして自慢じまんせよといふ。