“せがれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.6%
32.4%
18.1%
7.7%
子息0.8%
息子0.5%
豚児0.5%
0.5%
愚息0.3%
嗣息0.3%
長男0.3%
一子0.2%
世息0.2%
0.2%
与重0.2%
小伜0.2%
養子0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京屋の家族は、せがれの善太郎たった一人だけ。これは人間がだいぶ甘く、二十二にもなっているのに、禿ほうきほどの役にも立ちません。
「内のせがれは年はまだ若うおすけどな、こんなことには私がよう仕込んでますよって、おためにならんようには取り計らいまへんやろ」
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
謡曲うたひが済む頃になると、其家そこせがれが蓄音機を鳴らし出す。それがまた奈良丸の浪花節なにはぶし一式と来てゐるので、とても溜つたものではない。
農林学校出身の、地主のせがれ欣之介きんのすけは毎日朝早くから日の暮れるまで、作男の庄吉を相手に彼の整頓せいとんした農園の中で余念なく労働した。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
買取かひとりるに同じく漏居もれゐければ十兵衞不審いぶかりながら立歸りしが其夜に至り子息せがれ庄左衞門逐電ちくでんせし事を始て聞知り切齒はがみを爲て怒り歎きしが夜中に書置かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
與平よへいといふ親仁おやぢは、涅槃ねはんつたやうなかたちで、どうながら、佛造ほとけづくつたひたひげて、あせだらけだけれどもすゞしい、息子せがれ地藏眉ぢざうまゆの、あいくるしい、わかかほて、うれしさうにうなづいて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老人越遊ゑついうすゝめしこと年々なり。もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。丁酉の晩夏ばんかつひ豚児せがれ京水をしたがへ啓行けいかうす。
此時 御領主より彦右ヱ門せがれへ米五俵、浅右ヱ門さいへ米五俵たまはりし事をしるしあり。此魚沼郡うをぬまこほり大郡たいぐんにて 会津侯御あづかりの地なり。元文の昔も今も 御領内ごりやうない人民じんみんあはれみ玉ふ事あふぐべくたつとむべし。
ラクダルは無言むごんのまゝ手眞似てまね其處そこすわらした。親父おやぢ當前あたりまへすわる、愚息せがれはゴロリころんであし蹈伸ふみのばす、この臥轉ねころかた第一だいゝち上出來じやうできであつた。三人さんにんそのまゝ一言ひとことはつしない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彦右ヱ門并に馬一疋即死そくしさい嗣息せがれは半死半生、浅右ヱ門は父子即死、さいうつばりの下におされて死にいたらず。
上結東かみけつとうは廿九軒有)此村に市右エ門とて村中第一の大家あり、幸ひ案内者の知る人なれば宿やどりをもとめたち入りて見るに、四けんに六間ほどの住居すまゐ也、主人夫婦あるじふうふ老人らうじんにて、長男せがれは廿七八
も見ずして我家へかへり向ふの始末斯々かう/\はなしてあせぬぐひけり夫婦は聞て先は安堵あんど此事一子せがれに云ん物と思へど未だ暇にとぼしく咄しもせねば和郎そなたまづ一子せがれとくと此よし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて管伴ばんたう忠兵衞は歸ると其儘今日の始末しまつおちなく話したりけるに主個あるじ夫婦ふうふはほゝ容貌きりやうばかりか心操こゝろばえも又其素生すじやうすぐれたる女で有らば言分なし追て𫥇人なかうどを立表向つかはすなれどぜんいそげ且は一子せがれにも安心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくてもあられねばつまたる羽織はおりをつとくびをつゝみてかゝへ、世息せがれ布子ぬのこぬぎて父の死骸しがいうでをそへてなみだながらにつゝみ脊負せおはんとする時
○こゝに何村なにむらといふ所に家内の上下十人あまりの農人のうにんあり、主人あるじは五十歳ばかりつまは四十にたらず、世息せがれ二十はたちあまり娘は十八と十五也。いづれも孝子かうしきこえありけり。
しうとかたはらにありて、そはよき事也せがれも行べし、実母ばゝどのへもまごを見せてよろこばせ夫婦ふうふして自慢じまんせよといふ。
すむ塩沢しほさはとほからざる村の農夫のうふせがれ一人あり、篤実とくじつにしてよくおやつかふ。
印刷までしたプログラムから弁士の名まで削られたんでせう、普通の人で誰がソンな所へ行くものですか、先頃も与重せがれが青年会のことで篠田様に何か叱かられて帰つて来ましてネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
あんなにちっぽけな、瘠せた小伜せがれであった浩が、自分より大きな、ガッシリと頼もしげな若者になっているのを、むさぼるように見ると
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かたぶけ是は/\何方いづかたより御越にや何處の御方樣にて候ひしか御病人なるや又御見舞みまひに上りますのでござるかと思ひも寄らぬ挨拶に千太郎は長庵がたはむれにやと思ひけれどもなほ叮嚀ていねいによもやお見忘れはなさるまじ私しは伊勢屋五兵衞の養子せがれ千太郎にて候なり段々と小夜衣がとこに付いてはお骨折ほねをりなにとも有難くぞんじ奉つる夫れ付き今日は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)