“ひとりご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒトリゴ
語句割合
独言23.8%
一人子22.2%
独語19.0%
独子17.5%
獨言4.8%
獨語3.2%
一人児1.6%
一人兒1.6%
一人娘1.6%
一子1.6%
孤兒1.6%
獨碁1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綾子は再び独言ひとりごち、「それでは死んでも仕様がない。」ああ窮の極、自殺も出来ず、「これ。死……死んでも不可いけないのか。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鏡子は弟の様に思つて居る京都の信田しのだと云ふ高等学校の先生が、自分は一人子ひとりごむすめよりも他人の子の方をはるかに遥に可愛く思ふ事
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
独語ひとりごつやうに言ひて、満枝はいよいよ寄添ひつ。貫一はこらへかねて力任せにうんと曳けば、手は離れずして、女の体のみ倒れかかりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
源叔父の独子ひとりご幸助海におぼれてせし同じ年の秋、一人の女乞食日向ひゅうがかたより迷いきて佐伯の町に足をとどめぬ。ともないしは八歳やっつばかりの男子おのこなり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『おゝ、それも左樣さうだ、わたくし考通かんがへどうりにもかないな、これから糧食かて積入つみいれたり、飮料水のみゝづ用意ようゐをしたりしてると、矢張やはり出發しゆつぱつ明朝あすのあさになるわい。』と獨言ひとりごつ、このをとこいつもながら慓輕へうきんことよ。
そのまづしさをるまゝに、おもはず獨語ひとりごって、このマンチュアでどくれば、すぐにもいのちらるれども、しもどくしければりさうなのは此奴こいつめ、とおもうたが、今日けふあるらせであったまで。
クララはひじをついて半分身を起したままで、アグネスを見やりながらほろほろと泣いた。死んだ一人児ひとりごを母が撫でさすりながら泣くように。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そして生きることも死ぬことも絶對なのだ、若い兩親は、一人兒ひとりごの爲めに生きやうし、また死なうとした。
(旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
あそばすまじきものならず御最愛ごさいあいのお一人娘ひとりごとて八重やへ何分なにぶんたのむぞと嚴格むづかし大旦那おほだんなさまさへ我身わがみ風情ふぜいおほせらるゝは御大事おだいじさのあまりなるべしかれにつけこれにつけづかはしきはひとことりし對面たいめんとき此處こゝ居給ゐたまふとはおもひがけず郷里きやうりのことは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
秋萩を妻鹿こそ、一子ひとりごに子たりといへ、鹿児かこじもの吾が独子ひとりごの、草枕旅にし行けば、竹珠たかだましじき垂り、斎戸いはひべ木綿ゆふでて、いはひつつ吾が思ふ吾子あこ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
花と見えしに孤兒ひとりご
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
「相談づくなら獨碁ひとりごを打つて、一人が拔け出すといふもありますよ」