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ひとりご
ふりがな文庫
“
独言
(
ひとりご
)” の例文
旧字:
獨言
「医者のあの口振りじゃ、九分九厘むつかしそうなんだが……全くそんなんだろうか」と情なさそうに
独言
(
ひとりご
)
ちて、お光は目を拭った。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
綾子は再び
独言
(
ひとりご
)
ち、「それでは死んでも仕様がない。」ああ窮の極、自殺も出来ず、「これ。死……死んでも
不可
(
いけ
)
ないのか。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我はそなたの仕合はせとあらば、手離して上げまするも苦しからじなど、
独言
(
ひとりご
)
ちたまふを聞く我は、
頓
(
には
)
かに心強うなりて。
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
馬鹿々々しく頭が腐抜けになったように、吾れ知らず「こんな所へくることよせばよかったなア」と又
独言
(
ひとりご
)
ちた。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
甲板は血に染み、四人の水夫の
屍骸
(
しがい
)
が散乱した。ピストルを握った水夫は、会心の笑みをうかべて
独言
(
ひとりご
)
った。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
▼ もっと見る
と云った時にようやく立ち上って、そこを
発
(
た
)
つ仕度に取掛った。そして彼は口の内で苦々しく
独言
(
ひとりご
)
った。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
青年の
出
(
い
)
で行きし後、翁は庭の中をかなたこなたと歩み、めでたしめでたしと繰り返して
独言
(
ひとりご
)
ちしが、ふと足を止め、
眼
(
まなこ
)
を閉じ、ややありて、されど哀れの君よと深き
嘆息
(
ためいき
)
をもらしぬ。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれど二三間も歩かぬうちにまたぴたりと足を停めると、俺はなんだつて急いで歩くのだらう、急ぐ必要は少しもありやしない、と例のやうにぶつぶつと口のうちで
独言
(
ひとりご
)
ちるのであつた。
青い焔
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
「フン、何ぞそれ」と彼は
独言
(
ひとりご
)
った。「何ぞそれ来たること遅きやじゃ!」
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
と
独言
(
ひとりご
)
たれた。今夜はそう
更
(
ふ
)
かさずに宮はお出かけになった。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
独言
(
ひとりご
)
ちながらつと進んだ。相変わらず左手は遊ばせている。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『肺病患者なんかに!』と
独言
(
ひとりご
)
つ様に言つて
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
独言
(
ひとりご
)
つその背中を、そっと突いた藤吉
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ちょ! 芝居気のねえ野郎だな」と
独言
(
ひとりご
)
ちて、若衆は次の盤台を洗い出す。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「拙者にもトント解らない」と嘆息するように
独言
(
ひとりご
)
ちた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と自から怪むがごとく
独言
(
ひとりご
)
つと
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“独言”の意味
《名詞》
独り言を言うこと。独語。
(出典:Wiktionary)
独
常用漢字
小5
部首:⽝
9画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“独言”で始まる語句
独言悟浄