息子せがれ)” の例文
はじ息子せがれ長三郎にもはなしたるに息子は然もこそあらんと思ひ夫婦はしきり麁忽そこつ再度ふたゝび婚姻を結んとて翌日忠兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
與平よへいといふ親仁おやぢは、涅槃ねはんつたやうなかたちで、どうながら、佛造ほとけづくつたひたひげて、あせだらけだけれどもすゞしい、息子せがれ地藏眉ぢざうまゆの、あいくるしい、わかかほて、うれしさうにうなづいて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
引摺ひきずり込み結納ゆひなふまでも取交とりかはせしぞ息子せがれこゝろかなうたる者にてあらばとはいふたれど惡ひ病があつてもいと我々夫婦は決して云ぬに和郎そなたは左樣な女兒むすめとも知ずにえん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
与平よへいという親仁おやじは、涅槃ねはんったような形で、どうに寝ながら、仏造ほとけづくったひたいを上げて、汗だらけだけれども目の涼しい、息子せがれ地蔵眉じぞうまゆの、愛くるしい、若い顔を見て、嬉しそうにうなずいて
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
サア夫はのつめ臺詞ぜりふ忠兵衞今は詮方せんかたなければ左樣御座らば此由を若旦那へ一おう話してと云ども主個あるじは更にきかず何の息子せがれに話すに及ばう如何いかに戀慕こひしたふ美人でも覆轉ひつくりかへつてあわ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)