“夫人(あなた)” の例文
一つも解らぬことを対手(あいて)は丸呑(まるのみ)にして、承知之助、照子は呆れて、「夫人(あなた)どこへ、そうして何が、あの何でございますの。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と気を着けられて、照子はほっと呼吸(いき)、「夫人(あなた)、この間のね、秀の祖母様(ばあさん)というのはたしか。」「黒瀬ぬい。それがどうしましたえ。」と懸念げなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「夫人(あなた)どう致しましょう、その婆様(ばあさん)がね、家(うち)の松の木で首を釣ったの。」綾子も色を変じて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
翌日、平沼から急行列車に乗り込んで、そうして夫人(あなた)に逢ったんだと。……
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)