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貴嬢
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あなた
ふりがな文庫
“
貴嬢
(
あなた
)” の例文
旧字:
貴孃
「
虚偽
(
うそ
)
ツ、
若
(
も
)
し其れならば、姉さん、
貴嬢
(
あなた
)
の苦悶を私に打ち明けて下すつても
可
(
い
)
いぢやありませんか、秘密は即ち不信用の証拠です」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ナゼそんな処に
立
(
たっ
)
ているのです、ズット奥へお通りなさい。今も婆やを
貴嬢
(
あなた
)
の処へ上げてお昼の
副食物
(
おかず
)
を伺おうと思っていた処です。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「いいえ、そんなじゃありません。切なければ
直
(
じ
)
きに寝ますよ。お嬢さん、
難有
(
ありがと
)
う存じます。
貴嬢
(
あなた
)
、よくおいで下さいましたのね。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
國「感心なお心掛けでございます、旦那も未だ
御新造
(
ごしんぞ
)
がないから
貴嬢
(
あなた
)
が往って下されば私も安心だ、何しろ森松をよんで話して見ましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「みよーさん、(娘の名)
貴嬢
(
あなた
)
は、まあ
如何
(
どう
)
して、こんな所へ来なすっただ」と
訊
(
たず
)
ぬると、娘はその
蒼白
(
あおじろ
)
い顔を
擡
(
もた
)
げて、苦しそうな息の下から
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
▼ もっと見る
「イイエ決して気には留めません、
何卒
(
どうか
)
先生を
御大切
(
ごたいせつ
)
に、
貴嬢
(
あなた
)
も
御大事
(
ごだいじ
)
……」
終
(
みな
)
まで言う
能
(
あた
)
わず、急いで門を出て了った。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
アアそれ程までに
私
(
わたくし
)
を……思ッて下さるとは知らずして、
貴嬢
(
あなた
)
に向ッて
匿立
(
かくしだ
)
てをしたのが今更
耻
(
はず
)
かしい、アア耻かしい。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
貴嬢
(
あなた
)
は
何
(
なに
)
をおつしやいます
今
(
いま
)
まで
彼
(
あ
)
れ
程
(
ほど
)
お
待遊
(
まちあそ
)
ばしたのに
又
(
また
)
そんなことをヱお
心持
(
こゝろもち
)
がおわるひのならお
薬
(
くすり
)
をめしあがれ
阿母
(
おつか
)
さまですか
阿母
(
おつか
)
さまはうしろに。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それまでは決して
貴嬢
(
あなた
)
の手を離さず、大事に保存しておいて下さいと。頼みましたもんですから
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「今度は
貴嬢
(
あなた
)
も浦和にいらっしゃるんでしょう?」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
『エ、
貴嬢
(
あなた
)
百姓嫌ひ、フム、あなた百姓嫌ひ? あなたは普通の女学生と違つた処があると思つて居たら、あなたも矢張り普通の女学生と同じね……百姓程神聖な者がありますものか? トルストイのシンプル・ライフ主義には真理が多いのですよ』
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
「まア、
貴嬢
(
あなた
)
、飛んでも無いこと
仰
(
おつ
)
しやいます、此上貴嬢が退会でもなさろものなら、教会は
全
(
まる
)
で
闇
(
やみ
)
ですよ、篠田さんの御退会で——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「あいにく出掛けて
居
(
お
)
りませんが、
貴嬢
(
あなた
)
、どちら様でいらっしゃいますか。帰りましたら、直ぐ上りますように申しましょう。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
きっと
貴嬢
(
あなた
)
の事を申して
遣
(
や
)
りましたから
大悦
(
おおよろこ
)
びでどんな人だか早く顔が見たいと老人の気忙しく、取るものも取りあえず向うを出たのでしょう。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
こう言出したと云ッて、何にも
貴嬢
(
あなた
)
に義理を欠かして
私
(
わたくし
)
の
望
(
のぞみ
)
を遂げようと云うのじゃア無いが、唯貴嬢の口から
僅
(
たッた
)
一言、『
断念
(
あきら
)
めろ』と云ッて
戴
(
いただ
)
きたい。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お可愛想なことをと少し涙ぐんでお作をかばふに、それは
貴嬢
(
あなた
)
が当人を見ぬゆゑ可愛想とも思ふか知らねど、お作よりは我れの方を
憐
(
あは
)
れんでくれて
宜
(
い
)
い筈
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大
(
おほ
)
きに
姐
(
ねえ
)
さんから
小言
(
こごと
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
したり
何
(
なん
)
かしました、へい
嬢
(
ぢやう
)
さん
入
(
い
)
らつしやいまし、
何
(
ど
)
うも
先達
(
せんだつて
)
の二
番目狂言
(
ばんめきやうげん
)
へ
貴嬢
(
あなた
)
がチヨイと
批評
(
くぎ
)
をお
刺
(
さし
)
になつた事を
親方
(
おやかた
)
に話しましたら
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
貴嬢
(
あなた
)
はそんなことを勧めたんじゃないか」
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
云ふ顔、剛一は打ちまもりつ「其れ御覧なさい、其の通り姉さんは僕を信用なさらぬぢやありませんか、僕は
能
(
よ
)
く
貴嬢
(
あなた
)
の胸中を知つてます」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
なるほど
貴嬢
(
あなた
)
のおっしゃる通り家庭料理の本意は原料の
廉
(
やす
)
い品物を
美味
(
おい
)
しく
拵
(
こしら
)
えて食べるのと、棄てるような者を利用してお料理に使うのですね。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ああいう者と交際をなさるというと、先ず
貴嬢
(
あなた
)
の名誉、続いてはこの学校の名誉に係りますから、以来、口なんぞ利いてはなりません。宜しいかね。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ナニネ、
先刻
(
さっき
)
我輩が明治年代の丹治と云ッたのが
御気色
(
みけしき
)
に障ッたと云ッて、この通り顔色まで変えて御立腹だ。
貴嬢
(
あなた
)
の
情夫
(
いろ
)
にしちゃア
些
(
ち
)
と野暮天すぎるネ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
見たい土地はふみ難く、
兀々
(
こつこつ
)
として月日を送らねばならぬかと
思
(
おもふ
)
に、気のふさぐも道理とせめては
貴嬢
(
あなた
)
でもあはれんでくれ給へ、可愛さうなものでは無きかと言ふに
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
浪「あゝ
貴嬢
(
あなた
)
そんな卑下したことを云わないで、嫁にすると云ったら嫁におなんなさいよ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は
貴嬢
(
あなた
)
に色々の事を伺うので近頃
俄
(
にわか
)
に生活上の智識を増したような気がしますがナゼ昔の娘時代に活きた学問をしなかったろうと悔しく思います。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
得三
様
(
さん
)
、あんまりでございます。「下枝
様
(
さん
)
、
貴嬢
(
あなた
)
も余り強情でございます。それが
嫌否
(
いや
)
なら
悉皆
(
しっかい
)
財産を
我
(
おれ
)
に渡して、そうして⦅得三
様
(
さん
)
、
貴下
(
あなた
)
は可愛いねえ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
厭やと思へば日がな一日ごろごろとして
烟
(
けぶり
)
のやうに暮してゐまする、
貴嬢
(
あなた
)
は相変らずの美くしさ、奥様にお成りなされたと聞いた時からそれでも一度は拝む事が出来るか
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何でも
貴嬢
(
あなた
)
は
浦山敷
(
うらやましく
)
思わないかとか、何とか、ヒョイと軽く
戯談
(
じょうだん
)
を言って水を向けるのだ。思切って私も一つ言って見ようか知ら……と思ったが、何だか、どうも……ソノ
極
(
きま
)
りが悪い。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
今から
彼方
(
あっち
)
へお出でになりますと十二時過でげすよ、そんな夜更に若い
貴嬢
(
あなた
)
さまお一人で、え、お嬢さん、決して悪いことは申しません、
仮令
(
たとえ
)
改めてお出懸なさるまでもねえ、一旦はお帰りなせえ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
胡麻
(
ごま
)
とか
胡桃
(
くるみ
)
とか南京豆とか大豆とかいうものは沢山の脂肪分を持っています。
貴嬢
(
あなた
)
に先日書いて
進
(
あ
)
げた日用食品の分析表〔春の巻の付録〕を御覧なさい。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「駿河台の御隠居様が、今朝急病で
御逝去
(
おなくなり
)
なすったって。」「ええ。」「
訃音
(
しらせ
)
がありましたよ。あら、
貴嬢
(
あなた
)
は御存じではなかったの、まあ御坐り遊ばせ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貴嬢
(
あなた
)
は斎藤の阿関さん、面目も無いこんな
姿
(
なり
)
で、
背後
(
うしろ
)
に目が無ければ何の気もつかずにいました、それでも
音声
(
ものごゑ
)
にも心づくべき
筈
(
はづ
)
なるに、私は
余程
(
よつぽど
)
の鈍に成りましたと下を向いて身を恥れば
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「今日
貴嬢
(
あなた
)
の琴のお師匠さんの前を通りました。
一寸
(
ちょっと
)
好
(
い
)
い
家
(
うち
)
ですね。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
大原君はたといお代さんと婚礼するにしても形だけの婚礼で心は独身を
守
(
ま
)
もるつもりだといっています。大原君の心は何事があっても
貴嬢
(
あなた
)
を離れる事がありません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私共が願ってあすこへ行っておもらい申した、それから事が起ったそうで、申訳もありません、今の
貴嬢
(
あなた
)
の
御談話
(
おはなし
)
といいどうも私の考えでは、鮫ヶ橋は容易ならぬ処です。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
貴嬢
(
あなた
)
の座布団を持って来たのです。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お登和さん、先日
良人
(
やど
)
が
貴嬢
(
あなた
)
から三十銭料理や二十銭料理を教えて戴きまして宅へ帰ってから一々
皆
(
みん
)
な試みてみましたが大層経済に出来てどんなに
悦
(
よろこ
)
びましてしょう。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
すると御前も負けぬ気で、(それでは幽霊の出るという邸の廊下のはずれまで
貴嬢
(
あなた
)
一人で行って来ることが出来ますか)(
何時
(
なんどき
)
でも)というので、ね、秀様、今に番町のがここへ
行
(
や
)
って来るのさ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貴嬢
(
あなた
)
さえそういうお覚悟でいらっしゃるなら私なんぞは
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に継いで勉強しても
追付
(
おっつ
)
きません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
殊
(
こと
)
に
貴嬢
(
あなた
)
のお家なんぞは社会の上流に立って
如何
(
いか
)
なる人物とも御交際が出来ますから
阿父様
(
おとうさま
)
のお心掛次第で貴嬢のために如何なる上等のお
婿
(
むこ
)
さんをも択り出す事が出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
嬢
常用漢字
中学
部首:⼥
16画
“貴嬢”で始まる語句
貴嬢方
貴嬢様