“あなたさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
貴方様40.0%
貴女様13.3%
貴君樣6.7%
貴下様6.7%
貴公樣3.3%
貴嬢3.3%
貴郎3.3%
貴所3.3%
貴方樣3.3%
貴様3.3%
御僧様3.3%
貴君様3.3%
貴嬢様3.3%
貴郎様3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが奥の院と申す事で、ええ、貴方様あなたさまが御意の浦安神社は、その前殿まえどのと申す事でござります。御参詣おまいりを遊ばしましたか。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だッたの、なんのとおっしゃって、熱海中ひっくりかえるような大事おおごと、今にも十国峠が、崩れて来るか、湯の海になるかという、えらい事でござりました。貴女様あなたさま夫人おくさまは。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤尾あかをひこ息子むすこのやうにちがひにつてかへつたもり候へば、もと/\利發りはつ貴君樣あなたさまそのづかひはあるまじきなれど、放蕩ほうたうものにでもおりなされては取返とりかへしがつき申さず
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴下様あなたさま、もうこれ布子から単衣ひとえものと飛びまする処を、今日こんにちあたりはどういたして、また襯衣しゃつ股引ももひきなどを貴下様、下女の宿下り見まするように、古葛籠ふるつづら引覆ひっくりかえしますような事でござりまして
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
目懸惡漢共に付込れし所僥倖さいはひ貴公樣あなたさま御庇蔭おかげを以て一命を無難に助かり候事呉々有難く候と涙を流してかたりければ旅の武士は始終しじう樣子やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くゞりしとか申程にいやしく見えしよしすれば貴公樣あなたさまなどは御なりは見惡ふいらせられても泥中でいちう蓮華はちすとやらで御人品は自然おのづからかはらと玉程に違ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此婆に迄頭を下げぬばかりの御依頼おたのみなんで御座います——此婆にしましてが、せんの奥様おくさまにお乳を差上げ、又た貴嬢あなたさまをも襁褓むつきの中からお育て申し
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「——お嬢様、——お慎深つゝしみぶか貴嬢あなたさまへ、申すもクドいやうで御座いますが——何卒お気を着けなすつて下さいまし——御待ち申して居りますよ——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其れから間もなく御新造様は御亡おなくなり、貴郎あなたさまは伯母御様に手を引かれなさつて、粟野の奥へ行かしやる
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
百姓共の為めにお果てなされた長左衛門様の御恩を忘れてはならねえと、若い者等に言うて聴かせることで御座りまする——ぢやあ、貴郎あなたさまたしかに長二様とおつしやりました坊様で、イヤ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「まア、何殿どなたかと思ひましたら、貴所あなたさまですか——姉さん、ひどいことねエ、知らして下ださらぬもんですから、飛んだ失礼致したぢや御座んせんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
如才なき大洞は下婢が運べるさかづき取つて松島に差しつ「ぢや、貴所あなたさまからお始め下さい」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
貴方樣あなたさまとくと御考へ遊ばしまげて御聞入あるべしと詞を盡して申勸めしかば母おもせは女郎ぢよらう畜生ちくしやう同前と思へ共只一人の子といひ支配人しはひにんの忠兵衞が申勸る事故詮方なく然る上は是非ぜひに及ばず其女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御出し成れたる後藤秀盛先生が毎度まいど貴方樣あなたさま御噂おうはさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかるに貴様あなたさまとの関係と同じく矢張やはり男の家で結婚を許さない、そのめ男はつひに家出して今は愛宕町あたごちやう何丁目何番地小川方をがはかたに二人して日蔭者ひかげもの生活くらしをして居る。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そこで如何いかなることがあつても貴様あなたさまにはと誓つて居たけれどそのちかひも捨て義理も忘れてお願ひ申すのである、何卒どうか二十円だけ用意して明晩みやうばん来てれまいか——といふのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「御紹介状のない方には、何方どなたにもお目にかゝらないことにしてあるのですが、貴君様あなたさまを御信用申上げて、特別にお目にかゝるように仰しゃいました。どうぞ、此方こちらへ。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
其様そんなことおつしやつても、此婆は聴きませぬ、御容姿ごきりやうなら御才覚なら何に一つ不足なき貴嬢様あなたさまが、何の御不満で左様さやうなこと仰つしやいます、では一生、剛一様の御厄介におなり遊ばして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「討ち損じたは貴郎様あなたさまの未熟、それでさがし出して討とうとなされても、あてなしにおさがしなされては、なんではしっこい江戸者などを、さがし出すことができましょう」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)