貴嬢あなたさま)” の例文
旧字:貴孃
此婆に迄頭を下げぬばかりの御依頼おたのみなんで御座います——此婆にしましてが、せんの奥様おくさまにお乳を差上げ、又た貴嬢あなたさまをも襁褓むつきの中からお育て申し
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「——お嬢様、——お慎深つゝしみぶか貴嬢あなたさまへ、申すもクドいやうで御座いますが——何卒お気を着けなすつて下さいまし——御待ち申して居りますよ——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
私でさへくちを引ツ裂いてあげたい程に思ひましたもの、貴嬢あなたさま能く御辛抱なされました——其れがマア、不審では御座いませぬか、一週間つや経たずに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)