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貴君
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あなた
ふりがな文庫
“
貴君
(
あなた
)” の例文
私
(
わたし
)
の
時
(
とき
)
より
氣
(
き
)
まぐれを
起
(
おこ
)
すは
人
(
ひと
)
のするのでは
無
(
な
)
くて
皆
(
みな
)
心
(
こゝろ
)
がらの
淺
(
あさ
)
ましい
譯
(
わけ
)
がござんす、
私
(
わたし
)
は
此樣
(
こん
)
な
賤
(
いや
)
しい
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
貴君
(
あなた
)
は
立派
(
りつぱ
)
なお
方樣
(
かたさま
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
貴君
(
あなた
)
が下宿屋でなさる事も出来ます。先ず林檎の皮を
剥
(
む
)
いて小さく切って
心
(
しん
)
を
除
(
と
)
って鍋へ入れますが水は少しも
要
(
い
)
りません。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
貴君
(
あなた
)
は文化的な生活はお嫌ひのやうに承はつてゐましたから、実は
洋琴
(
ピアノ
)
の方も余りお好きではないか知らと思つてゐましたので……」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
看板に「
沢山
(
たくさん
)
道具をお壊しなさい、
其
(
それ
)
が
貴君
(
あなた
)
のお
幸福
(
しあはせ
)
」と書いてある。
如何
(
いか
)
にも破壊を好む気
早
(
ばや
)
な
仏蘭西
(
フランス
)
人の気に入り
相
(
さう
)
な
遊戯
(
あそび
)
だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
貴君
(
あなた
)
なんかも、用心をしないと、いつコロリと行くかも知れませんよ。第一喧嘩なんかをして興奮しては駄目ですよ。熱病も禁物ですね。
マスク
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「私は、私は、
貴君
(
あなた
)
のことが気になって、立っても、いても、いられなくなりましたから、
家
(
うち
)
を逃げだして、夢中になって走って来ました」
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
近いうちに
謁聖
(
えっせい
)
がありますから、それに応ずるが
宜
(
よろ
)
しゅうございます、
貴君
(
あなた
)
は武科が御志願でございますけれども、まず文科を
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「もう少し
先
(
さつき
)
でした。
貴君
(
あなた
)
は大相お早かつたぢやありませんか、丁度
好
(
よ
)
ございましたこと。さうして間の容体はどんなですね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
老叟
(
らうそう
)
は
笑
(
わら
)
つて『さう言はるゝには
何
(
なに
)
か
證據
(
しようこ
)
でも
有
(
ある
)
のかね、
貴君
(
あなた
)
の
物
(
もの
)
といふ
歴
(
れき
)
とした
證據
(
しやうこ
)
が有るなら
承
(
うけたま
)
はり
度
(
た
)
いものですなア』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
わたしが、ある日
狐狗狸
(
コックリ
)
様をやる方々の所へ参りました。そうして私は彼らに申しますのには、『
貴君
(
あなた
)
方はわたしの父の名を聞かせてください』
妖怪談
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
……昌作さんもナンですが、(と信吾を見て)失礼乍ら
貴君
(
あなた
)
も好い御体格ですな。五寸……六寸位はお有りでせうな?
何方
(
どちら
)
がお高う御座います?
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
或
一日
(
いちじつ
)
、お勢の何時になく眼鏡を外して
頸巾
(
くびまき
)
を取ッているを怪んで文三が尋ぬれば、「それでも
貴君
(
あなた
)
が、健康な者には
却
(
かえっ
)
て害になると
仰
(
おっしゃ
)
ッたものヲ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
貴君
(
あなた
)
の作品の
中
(
うち
)
で、愛着を持つてゐらつしやるものか、好きなものはありませんか」と云はれると、
一寸
(
ちよつと
)
困る。
風変りな作品に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
貴君
(
あなた
)
は伯爵なんですッてね。長らく外国へ行っていらして、そして大変な学者でいらっしゃるッて」と言った。
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「おお、
貴君
(
あなた
)
はよく知っていますね。あのX甲虫も、その一つです。まだもっと
愕
(
おどろ
)
くべきものが沢山ありますよ」
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「然し、それはまあ一応御遠慮しなければなりますまいね、
貴君
(
あなた
)
の前だからなんだが、何んなものでせうな?」
円卓子での話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「それはそうですとも、
貴君
(
あなた
)
は知るわけはない。岸野さんがいま少し注意してくれるといいんですけれど、あの人はああいうふうで、何事にも
無頓着
(
むとんじゃく
)
ですからな」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
早速警視庁へ御相談に
来
(
あが
)
りました所、あちらではそう云う事は却って
貴君
(
あなた
)
に御願い申すがよかろうと云う事で、
甚
(
はなは
)
だ御迷惑ながら御依頼に上った次第でございます。
真珠塔の秘密
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それがナ
貴君
(
あなた
)
のお眼は
外障眼
(
がいしょうがん
)
と違い
内障眼
(
ないしょうがん
)
と云って
治
(
じ
)
し
難
(
がた
)
い症ですから
真珠
(
しんじゅ
)
、
麝香
(
じゃこう
)
、
竜脳
(
りゅうのう
)
、
真砂
(
しんしゃ
)
右
四味
(
しみ
)
を細末にして、これを
蜂蜜
(
はちみつ
)
で練って付ける、これが宜しいが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
連
(
つれ
)
なされ
上野
(
うへの
)
成共
(
なりとも
)
隅田
(
すみだ
)
成ともお心任せの方へ至り終日お遊び爲されませ和吉も
今年
(
ことし
)
は十四なれば
貴君
(
あなた
)
のお
供
(
とも
)
には
恰好
(
かくかう
)
と
嬉
(
うれ
)
しき餘り忠義の忠兵衞己れ一
個
(
にん
)
饒舌廻
(
しやべりまは
)
し其座を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしは
貴君
(
あなた
)
のお心がようく解っています。何でもないことです。貴方だって後になって考えると、やはり、あんなものは返していいことをしたとお思いなさるでしょう。
ふみたば
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
これから自分で狆を
伴
(
つ
)
れて行こうかと思いましたが、
貴君
(
あなた
)
の書き附けを持ってお
出
(
い
)
でならお使いでもお渡ししますと、充分に私を信じてくれておりますので、私は家に帰り
幕末維新懐古談:53 葉茶屋の狆のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
貴君
(
あなた
)
は少し何だが、御子息はどうして中々のものだ、末恐しい俊童だ、精一杯念入にお育てなさるがいゝ、などと口を極めて
煽
(
おだ
)
てるので、人の好い父は全くその氣になつてしまひ
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
『お……父様はそんなに
貴君
(
あなた
)
がおいやなの——それぢやおうちに居られませんか?』
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
おまえの髪と
確
(
しっか
)
り結び
合
(
あわ
)
せ
喼喼
(
きゅうきゅう
)
如律令
(
にょりつりょう
)
と
唱
(
とな
)
えて谷川に流し
捨
(
すて
)
るがよいとの事、憎や
老嫗
(
としより
)
の癖に我を
嬲
(
なぶ
)
らるゝとは
知
(
しり
)
ながら、
貴君
(
あなた
)
の
御足
(
おんあし
)
を
止度
(
とめた
)
さ故に
良事
(
よいこと
)
教
(
おし
)
られしよう
覚
(
おぼえ
)
て
馬鹿気
(
ばかげ
)
たる
呪
(
まじない
)
も
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いや、私は
貴君
(
あなた
)
をば昔成立塾に居た頃からよく知っています」と云うと
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或る日嬢様に向つて私も愈/\
来春
(
らいはる
)
は博士論文を呈出しますと仕たり顔に云ふと、オヤ
先
(
ま
)
あ
貴君
(
あなた
)
も御用学者になるの、博士と云ふと大層らしいが三年経つと
三歳
(
みつゝ
)
といふ
比喩
(
たとへ
)
もありますから子
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
相済まんがどうぞ
宅
(
うち
)
の方へお届けを、といって平にあやまると、
使
(
つかい
)
の婦人が、私も主義は違っております。かようなものは信じませんが、
貴君
(
あなた
)
を
心
(
しん
)
から思召していらっしゃる方の志は通すもんです。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「昨日私は
貴君
(
あなた
)
に何か話しましたか?」
扉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
其
(
そ
)
れは
貴君
(
あなた
)
が
病人
(
びやうにん
)
だからです。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
而して「
貴君
(
あなた
)
は?」ときいた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「——
貴君
(
あなた
)
じゃあるまいし」
明るい海浜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「それで
貴君
(
あなた
)
様の方を、湯河原のお宿までお送りして、それから引き返して熱海へ行くことに、
此方
(
こちら
)
の御承諾を得ましたから。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
あゝ
貴君
(
あなた
)
のやうにもないお
力
(
りき
)
が
無理
(
むり
)
にも
商買
(
しようばい
)
して
居
(
ゐ
)
られるは
此力
(
このちから
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
さぬか、
私
(
わたし
)
に
酒氣
(
さかけ
)
が
離
(
はな
)
れたら
坐敷
(
ざしき
)
は三
昧堂
(
まいどう
)
のやうに
成
(
な
)
りませう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あの通り狭い台所だから公開して来客に見せる事が出来ません。
貴君
(
あなた
)
に御相談申して早く改築したいと思いますけれども今の間に合わん。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「私は、この
南村
(
なんそん
)
に住んでいる、鄭宰相の
独
(
ひと
)
り
児
(
ご
)
の宣揚と云う者でございますが、
今日
(
こんにち
)
貴君
(
あなた
)
に
讐
(
かたき
)
を打ってもらいましたから、お礼にあがりました」
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
文三には昨日お勢が「
貴君
(
あなた
)
もお
出
(
いで
)
なさるか」ト尋ねた時、行かぬと答えたら、「ヘーそうですか」ト平気で澄まして落着払ッていたのが面白からぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私は困つて、私のこの殺風景な居室を見ながら、どうして
貴君
(
あなた
)
はそのやうな質問を、然も熱心に訊ねる気になつたのですか? と云はずには居られなかつた。
趣味に関して
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
その多くは
無代価
(
ただ
)
で書物を貰はうとする
吝
(
けち
)
な
輩
(
てあひ
)
で「
平素
(
ふだん
)
から
貴君
(
あなた
)
を尊敬してゐる」とか、「御著作は欠かさず読んでゐるが、近頃手許が苦しくて買へないから」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それとも
今
(
いま
)
これを此處に
留
(
と
)
め
置
(
おけ
)
ば
貴君
(
あなた
)
の三年の
壽命
(
いのち
)
を
縮
(
ちゞめ
)
るが
可
(
よい
)
か、それでも今
直
(
す
)
ぐに
欲
(
ほし
)
う御座るかな。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
貴君
(
あなた
)
の親御より十万円
恩借
(
おんしゃく
)
ありて、今年返済の期限
来
(
きた
)
り、万一延滞
候
(
そろ
)
節は所有地
家蔵
(
いえくら
)
を娘
諸共
(
もろとも
)
、貴殿へ
差上候
(
さしあげそろ
)
と申す文面の証書を
認
(
したゝ
)
めて、残し置き、
拙者
(
せっしゃ
)
は返金に
差迫
(
さしせま
)
り
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
屹度抜いて上げませうと思つて待つてると、信吾さんに札が無くなつて、
貴君
(
あなた
)
が「むべ山」と「流れもあへぬ」を信吾さんへ
遣
(
やつ
)
たでせう? 私厭になつ
了
(
ちま
)
ひましたよ。ホホヽヽ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
実はこれを
貴君
(
あなた
)
に始末して頂こうと思って持って参じましたといって
風呂敷包
(
ふろしきづつ
)
みを解かれると、中に絹の
服紗
(
ふくさ
)
に包んだものが米ならば一升五合もあろうかと思うほどの
嵩
(
かさ
)
になっている。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
出しより駕籠舁共頻りに急ぐ故妾も
不審
(
ふしん
)
に思ひ
貴君
(
あなた
)
の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ところが少し
貴君
(
あなた
)
のおいでが早かったものだから……
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
『それは
貴君
(
あなた
)
が
病人
(
びょうにん
)
だからです。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
貴君
(
あなた
)
になら売るのは厭だ。」
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「それで
貴君
(
あなた
)
様の方を、湯河原のお宿までお送りして、それから引き返して
熱海
(
あたみ
)
へ行くことに、
此方
(
こちら
)
の御承諾を得ましたから。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
惡業
(
わるさ
)
に
染
(
そ
)
まらぬ
女子
(
おなご
)
があらば、
繁昌
(
はんじよう
)
どころか
見
(
み
)
に
來
(
く
)
る
人
(
ひと
)
もあるまじ、
貴君
(
あなた
)
は
別物
(
べつもの
)
、
私
(
わたし
)
が
處
(
ところ
)
へ
來
(
く
)
る
人
(
ひと
)
とても
大底
(
たいてい
)
はそれと
思
(
おぼ
)
しめせ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
貴君
(
あなた
)
どうして今時高利貸したッて月三十五円取ろうと言うなア容易な
事
(
こっ
)
ちゃア有りませんヨ……三十五円……どうしても働らき
者
(
もん
)
は違ッたもんだネー。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“貴君”で始まる語句
貴君樣
貴君方
貴君等
貴君様