貴様あなた)” の例文
旧字:貴樣
けれども僕の運命の怪しき力にまどうて居る者ですから、其つもりで聴いて下さい。し原因結果の理法と貴様あなたが言うならそれでもう御座います。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
拍子ひやうしの悪いことには梅子さんの三歳みつの時に奥様がおなくなりになる、それから今の奥様をお貰ひになつたのですが、貴様あなた、梅子さんも今の奥様には随分ひどい目にお逢ひなさいましたよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ナニ最早もう大概吐き尽したんですよ、貴様あなたは我々俗物党と違がって真物ほんものなんだから、さいわい貴様あなたのを聞きましょう、ね諸君!」
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それで先刻僕が此処ここへ来て見ると、意外にも貴様あなたが既にこの場処を占領して居たのです、驚きましたね、しからん人もあるものだ僕の酒庫を犯し
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ちょッとお話の途中ですが、貴様あなたはその『冬』というおんにかぶれやアしませんでしたか?」と岡本はたずねた。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
運命が僕を詛うてるのです——貴様あなたは運命ということを信じますか? え、運命ということ。如何どうです、もひとつ
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ウン貴様あなたは未だこの方を御存知ないだろう、紹介しましょう、この方は上村君かみむらさんと言って北海道炭鉱会社の社員の方です、上村君、この方は僕の極くふる朋友ともだちで岡本君……」
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「だって貴様あなたは富岡のお梅さんに大変熱心だったと言いますぜ」これは黒田の番頭の声である。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『だつて全く貴様あなたにお願ひして見るほか方法がつきちやつたのですよ……。』
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「ほら其処に妙な物が。……貴様あなたお眼が悪いのねエ」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
貴様あなた不可いけなくなつてからうちに居ました。』
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)