“黙祷”のいろいろな読み方と例文
旧字:默祷
読み方割合
もくとう97.1%
もくたう2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その黙祷もくとうをうけながらお蝶が一歩うしろへ退さがって、石神堂の扉をギイと押したかと思いますと、掻き消すごとく、姿を堂の中へ隠しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今しもそこに悄然しょうぜんと涙を呑んで黙祷もくとうしていたらしい一団は私がとびらをはいると同時に涙の筋をひいた顔を挙げて目礼したが
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
僕等は数列の椅子について居る敬虔けいけんな信者の黙祷もくたうを驚かさない様にと心掛けて靴音を潜めながら壁画の中にリユウバンスの諸作を探して歩いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
巴里パリイのノオトル・ダムを観る暇の無かつた晶子はこれ見恍みとれて居る。周囲の礼拝らいはい室に静かに黙祷もくたうに耽つて居る五六人の女が居た。響くものは僕等の靴と草履ざうりの音だけである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)