“黙(だ)” の例文
旧字:默
ブラブラあるいていましたが、そのうちに、どこからか、船頭三人、ギーと棟梁の前へ漕いできて、どっちも黙(だ)ンまりで乗りました
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生の動揺といった象(かたち)が見えている中に、これはまた青嵐も吹かば吹け、碧瑠璃(あおるり)のさざれ石の間に介(はさ)まって、黙(だ)んまりとした死の静粛(デッド・カアムネス)! それでいて、眠っているのではない、どこか冴え切って
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
船頭は黙(だ)ンまりをつづけ、ただ櫓(ろ)だけを鳴らしていた。しかし岸をたどり歩いて、兇暴な火焔(かえん)と人群れの影はどこまでもくッついて来る。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)