切端せっぱ)” の例文
そしてその独立を失い、かつ慈善の乏しい手に暮しを頼らざるを得ないという、切端せっぱつまった地位に立つことにはならぬであろうか、と。
やや切端せっぱつまった就職者として来ているせいもあって、新子は何か不思議な圧迫を感じるのであった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
切端せっぱ詰った人生という事を申されますが、世の中の男の方が果して産婦が経験するほどの命掛の大事に出会われるかどうか、それが私ども婦人の心では想像が附きません。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
一人でじっとしていると、いつのまにか考えは切端せっぱつまった所へ落ち込んでいった。真直に眼を挙げるのが恐ろしかった。伏目がちの横目で、じろじろあたりを見廻した。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
長く看護に疲れた羽島さんの心には、一寸した考えの向け方が直ちに凶なる予想を事実として決定せしめるだけの切端せっぱつまったものがあった。そしてその考えが壮助にもすぐに感染してきた。
生あらば (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)