そしてその独立を失い、かつ慈善の乏しい手に暮しを頼らざるを得ないという、切端つまった地位に立つことにはならぬであろうか、と。
やや切端つまった就職者として来ているせいもあって、新子は何か不思議な圧迫を感じるのであった。
切端詰った人生という事を申されますが、世の中の男の方が果して産婦が経験するほどの命掛の大事に出会われるかどうか、それが私ども婦人の心では想像が附きません。
一人でじっとしていると、いつのまにか考えは切端つまった所へ落ち込んでいった。真直に眼を挙げるのが恐ろしかった。伏目がちの横目で、じろじろあたりを見廻した。
長く看護に疲れた羽島さんの心には、一寸した考えの向け方が直ちに凶なる予想を事実として決定せしめるだけの切端つまったものがあった。そしてその考えが壮助にもすぐに感染してきた。