“せっぱ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切羽45.8%
切迫23.7%
説破13.6%
切端8.5%
薛覇1.7%
切歯1.7%
切破1.7%
折破1.7%
狭鍔1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が——先も足首に気構えをとっていたとみえて、いきなり、お綱の胸に片膝をのせたまま、ぱちッと、太刀の切羽せっぱ。抜き合せに受けた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実は切迫せっぱつまった事で、金はる、借りるところはなし。君がいると、一も二もなく相談するのだが、叔母さんには言いにくいだろうじゃないか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
つまり説得するものが説破せっぱされたのである。この人はお鯉の利益になるように説くようになった。そこで、喜楽の女将が、我こそと手ぐすねをひいて出て来たのだ。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
やや切端せっぱつまった就職者として来ているせいもあって、新子は何か不思議な圧迫を感じるのであった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さきは終身刑のみが送られる滄州沙門島しゃもんとうの大流刑地。護送役の董超とうちょう薛覇せっぱという二名は、これまた、かつて林冲りんちゅうを都から差立てたことのある端公たんこうだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
驚いた薛覇せっぱが、上を見て、あッ——といったと思うと、これまた、クルクルッと体を廻してぶっ仆れた。その喉笛のどぶえにも、彼方の死骸にも、矢が立っていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
窮して坑夫になるとか、ならないとか云う切歯せっぱ詰った時でさえ自分はこれほどの虚栄心をっていた。泥棒に義理があったり、乞食に礼式があるのも全くこの格なんだろう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ここでいよいよ切破せっぱつまって、泣きの涙でお君を手放す。お君は須賀町の周旋屋から芳町の房花家へ小園と名乗って二度とるつま
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
令狐譔れいこせんという儒者があった。非常な無神論者で、鬼神変化きじんへんげ幽冥果報ゆうめいかほうというようなことを口にする者があると、かたっぱしから折破せっぱして、決して神霊の存在を許さなかった。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あなたわたしが狭鍔せっぱ詰まっていると思って