トップ
>
切迫
>
せっぱ
ふりがな文庫
“
切迫
(
せっぱ
)” の例文
余計な文字を
弄
(
もてあそ
)
んでいる
余裕
(
ゆとり
)
が、まったくありませんから、
切迫
(
せっぱ
)
詰まった書き方になって、読みにくいでしょうが勘弁して下さい。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
実は
切迫
(
せっぱ
)
つまった事で、金は
要
(
い
)
る、借りるところはなし。君がいると、一も二もなく相談するのだが、叔母
様
(
さん
)
には言いにくいだろうじゃないか。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
あなたが、頭に大きな傷をうけて、もう死ぬしかないという
切迫
(
せっぱ
)
つまったときに、ここから僕の脳髄の一部を裂いて、あなたの脳につぎあわせたんです。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
随分それまでにもかれこれと年季を増して、二年あまりの地獄の
苦
(
くるしみ
)
がフイになっている上へ、もう
切迫
(
せっぱ
)
と二十円。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多くは雨が降ろうが日が照ろうがブラブラ遊んでいて、いよいよ
切迫
(
せっぱ
)
つまって初めて不精不精に
印袢纏
(
しるしばんてん
)
をひっかけたり破れ
袴
(
ばかま
)
の
皺
(
しわ
)
をのしたりして出かけた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
切迫
(
せっぱ
)
詰って
彼奴
(
あいつ
)
が逃げ出すかも知れないから、逃げたらば表に二人も待ってゝ、
逃
(
にげ
)
やがったら
生捕
(
いけど
)
って逃がしてはならぬぞ、えゝ、初めは柔和な顔をして掛合うから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お庄は中村や芳太郎の手からのがれたとき、
切迫
(
せっぱ
)
つまって来れば、自分はどこへ行く体か解らないと思った。そして、その方がどんなに自由だか知れないとも考えた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それで河野は、吉岡に頼るのが心苦しかったけれど、
切迫
(
せっぱ
)
つまった余り思い切って出かけてみた。
好意
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
大七の場、金五郎の
窘
(
たしな
)
めを上手にてきき居て
切迫
(
せっぱ
)
つまりしところにて、百両包を投げ出し「
何
(
なん
)
にも言はずとこの金を、そつくりかへしておしまいなせえ」のところ
応
(
こた
)
へたり。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
さんざんに敗けいくさとなり、もうほかに手段もない
切迫
(
せっぱ
)
つまッての思いつきから
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
切迫
(
せっぱ
)
つまってはタンカラでも稼いだり、それこそありとあらゆる修行をしたあげく、立寄らば大木のかげ、改めていまの師匠のところへいゝ加減ふみしだいた草鞋をぬいだのだったが
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
こんな惨めな
残酷
(
むごたら
)
しい、
切迫
(
せっぱ
)
詰まった運命に直面した人間に、なんの感傷なぞがあるものでしょうか。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
切迫
(
せっぱ
)
つまったはめというのは、そういう状態の時をいうのだ。そしてその推移がひそかに行わるれば行われるほど、人の注意を逃れることが多ければ多いほど、益々危険が大きくなる。
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「佐平の声に驚いて、吾々が駈けつけてみた時は、もう
柵
(
さく
)
を破っている
切迫
(
せっぱ
)
で」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絶体絶命、縄をうけるか切りぬけるか、このふたつよりない
切迫
(
せっぱ
)
。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“切迫”の意味
《名詞》
切迫(せっぱく)
危機などが差し迫ること。
期限などがおしつまること。
(呼吸や脈などの)速さや間隔などが急になること。
(出典:Wiktionary)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
迫
常用漢字
中学
部首:⾡
8画
“切迫”で始まる語句
切迫塞
切迫詰