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切端
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きれはし
ふりがな文庫
“
切端
(
きれはし
)” の例文
扉の方へうしろ向けに、
大
(
おおき
)
な
賽銭箱
(
さいせんばこ
)
のこなた、
薬研
(
やげん
)
のような
破目
(
われめ
)
の入った
丸柱
(
まるばしら
)
を
視
(
なが
)
めた時、一枚
懐紙
(
かいし
)
の
切端
(
きれはし
)
に、すらすらとした
女文字
(
おんなもじ
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
マッチの棒、鼻緒の
切端
(
きれはし
)
、
藁切
(
わらきれ
)
など……その中に煙草の吸殻らしいものが一個、平べったく粘り付いているのが眼に付いた。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
セエラは、あの銀貨に工夫して穴をあけ、細いリボンの
切端
(
きれはし
)
を穴に通して、首に掛けました。セエラは、大屋敷がだんだん好きになりました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
では
綿
(
わた
)
がすつかり
採
(
と
)
れなくなつたので、まるめ
箱
(
ばこ
)
も
煤
(
すゝ
)
けた
儘
(
まゝ
)
稀
(
まれ
)
に
保存
(
ほぞん
)
されて
居
(
ゐ
)
るのも
絲屑
(
いとくづ
)
や
布
(
ぬの
)
の
切端
(
きれはし
)
が
入
(
い
)
れてある
位
(
くらゐ
)
に
過
(
す
)
ぎないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それは、
雨水
(
あまみず
)
と泥で汚れた用箋の
切端
(
きれはし
)
だったが、それには黒インクで、次のような
独逸
(
ドイツ
)
文が
認
(
したた
)
められてあった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
君達は船材の
切端
(
きれはし
)
が、長いあいだ波にもまれて、藤壺が一杯くっついて、とうとうしまいに、深い深い海の底から打上げられたのかと思われるような風になって
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
やはり赤い布と鈴とをつけ、小さな
風呂敷包
(
ふろしきづつ
)
みを持っていました。そして村の家の前で踊ってみせました。がこんどは、風呂敷から野菜の
切端
(
きれはし
)
を取り出して、それをくれと言うようなんです。
キンショキショキ
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
勿体なくも市内第一流の桃色ローマンスの糸の
切端
(
きれはし
)
がコンナ処に落込んでいようなんて誰が想像し得よう。
先
(
ま
)
ず一息入れて落付いてみる事だ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
勘次
(
かんじ
)
はふいと
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
暫
(
しばら
)
く
經
(
た
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
には
手
(
て
)
に
白
(
しろ
)
い
曝木綿
(
さらしもめん
)
の
古新聞紙
(
ふるしんぶんがみ
)
の
切端
(
きれはし
)
に
包
(
つゝ
)
んだのを
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二人が別々に書いたノートの
切端
(
きれはし
)
を、瘠せ細ったレミヤの両手に渡しますと、レミヤは未だスッカリ読んでしまわぬうちに涙を一パイに湛えました。
霊感!
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは
金口
(
きんぐち
)
の
巻煙草
(
まきたばこ
)
の吸いさしを、短かい銅線の
切端
(
きれはし
)
の折れ曲りに挟んで、根元まで吸い上げた残りであった。
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
船長、一等運転手、
賄長
(
まかないちょう
)
、屈強の水夫、火夫、等々々、只、機関長だけは居なかったようである。皆、手に手にピストルだの、スパナだの、ロープの
切端
(
きれはし
)
だのを持っていた。
幽霊と推進機
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうしてね、
余
(
あんま
)
り可哀そうですから、頂き残りの御飯粒で、モト通りに貼ってやりましょうと思った
序
(
ついで
)
に、何の気も無しに、その
切端
(
きれはし
)
の新聞記事を読んでみたらビックリしちゃったの。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“切”で始まる語句
切
切支丹
切尖
切先
切羽
切々
切符
切歯
切迫
切通