“きれはし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切端63.2%
断片10.5%
片端10.5%
布端5.3%
斷片5.3%
裂端5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マッチの棒、鼻緒の切端きれはし藁切わらきれなど……その中に煙草の吸殻らしいものが一個、平べったく粘り付いているのが眼に付いた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わしは貴女のわしに対する態度を見て、つくづく悟つたのです。わしの全財産を投げ出しても、貴女の心の断片きれはしをも、買ふことが出来ないと云ふことを、つく/″\悟つたのです。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ところが女中が秋山さんの隠れていたといった扉の蔭には、かえって秋山さんの無罪を証拠だてる物が落ちていたのです、それは小さな玉葱たまねぎ片端きれはしです。
謎の頸飾事件 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼女は、リボンのかわりに叔母の裁ち屑箱から細い紫繻子サテン布端きれはしを見つけ出した。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
或は、遠くの遠くの不思議な世界まで、これらの顏の斷片きれはしを持つていつて、それを土臺に全く別の新しいのを造上げるかも知れないが、これとてもしかとは受合はれぬ。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
翌日梅三郎は曲者から取返した書面を出して見ると、再び今一つの裂端きれはしも一緒になっていたので、これ幸いと曲者の持っていた書面と継合つぎあわせて見まして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)