切端せつぱ)” の例文
何か自身を卑しくするやうな感じもあつたが、聴いたところで何うにもならない事も承知してゐた。よく/\切端せつぱつまつた場合の外は黙つてゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
つづまる所良人と既に生れて居る子供との為に今しばらく生きて居たいと言ふ理由に帰着する。此の切端せつぱ詰つた場合の「自分」と言ふ物の内容は良人と子供とで総てである。
産褥の記 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)