“灯皿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひざら80.0%
ほざら20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
枕元には、薬研台やげんだいの上に、びたかね灯皿ひざらがおいてある。その微かな燈心の揺らぎで見返しても——また合点のゆかないふしがある。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少し風が強くなってきたのか、或いは、さしも夜更けてきたせいか、ドボリ、ドボリ、という川波の音が灯皿ひざらの細いほのおするかに聞えてくる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳人のお沢は、かすかに手元だけを照らしている灯皿ほざらのそばで、夜なべ仕事に、たれの肌着はだぎか、男物のぼろに針を運んでいた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背後うしろの岩壁をり抜いてそこに灯皿ほざらが置いてあったが、そこで灯っている獣油の火が蒼然と四辺あたりを照らしているさまは、鬼々陰々たるものである。