“くろがね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クロガネ
語句割合
50.0%
黒鉄25.7%
黒金7.1%
黒鐵4.3%
4.3%
2.9%
鋼鉄1.4%
1.4%
鋼鐵1.4%
鐵卷1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瓜番小屋は、ああ、ああ血の池に掛けた、桟敷のように、くろがねが煙りながら宙に浮く。……知らなかった。——き近い処にあったのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
死を決した岡柳秀子は、その凄婉せいえんな眼を閉じて、氷よりも冷たい黒鉄くろがねの金庫の扉に裸体をもたれました。
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それ、いた。皆見るがい。黒金くろがねの縛は
小六ころくたもとさぐつてその書付かきつけしてせた。それに「このかき一重ひとへ黒鐵くろがねの」としたゝめたあと括弧くわつこをして、(この餓鬼がきひたへ黒缺くろがけの)とつけくはへてあつたので、宗助そうすけ御米およねまたはるらしいわらひらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くろがねの絲凡ての者のまぶたを刺し、これを縫ふこと恰もしづかならざる鷹を馴らさんとする時に似たりき 七〇—七二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
衣帶いみじき女性らを、又燦爛のくろがねを。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
あわてゝ手探りに枕元にある小さな鋼鉄くろがね如意にょいを取ってすかして見ると、判然はっきりは分りませんが、頬被ほうかぶりをした奴が上へしかゝっている様子。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小さな鋼鉄くろがねの如意を持ちまして隣座敷へ泊った和尚様が、お湯に入り、夕飯ゆうはんべてりますと、禅宗坊主だからちゃんと勤めだけの看経かんきんを致し
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
肩に懸けたる手をば放さでしきりゆすらるるを、宮はくろがねつちもて撃懲うちこらさるるやうに覚えて、安き心もあらず。ひややかなる汗は又一時ひとしきり流出ながれいでぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その逞ましい鋼鐵くろがねに はや陽炎燃え 揚羽の蝶が休んでゐる
山果集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
いかなれば齋藤瀧口、今更いまさら武骨者の銘打つたる鐵卷くろがねをよそにし、負ふにやさしき横笛の名にめる。いかなれば時頼、常にもあらで夜ををかして中宮の御所ごしよには忍べる。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)