黒鐵くろがね)” の例文
新字:黒鉄
空は一面の灰色の雲、針の目程の隙もなく閉して、黒鐵くろがねの棺の蓋の如く、重く曠野を覆うてゐる。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
小六ころくたもとさぐつてその書付かきつけしてせた。それに「このかき一重ひとへ黒鐵くろがねの」としたゝめたあと括弧くわつこをして、(この餓鬼がきひたへ黒缺くろがけの)とつけくはへてあつたので、宗助そうすけ御米およねまたはるらしいわらひらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
繋縛いましめ人を責むとか、黒鐵くろがねをも
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ややあれば黒鐵くろがねの戸の
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)