しる)” の例文
旧字:
ひきたるが初めにて一兩日すぐうち發熱はつねつはなはだしく次第にやまおもりて更に醫藥いやくしるしも無く重症ぢうしやうおもむきしかば吉兵衞は易き心もなくことに病ひのためちゝは少しも出ず成りければ妻の看病みとり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扨も杉戸屋富右衞門に一人のせがれあり幼少のせつ疱瘡はうさうにて兩眼をうしなひしかば兩親も大に心を痛め種々治療ちれうに手をつくせ共更に其しるしも無く依て田舍座頭ゐなかざとうにせんも不便なりと種々に心配を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つくしたれ共更にしるしなく今は一めい旦夕たんせきせまり頼みのつなも切果たる體なれば五左衞門おもまくらあげ漸々やう/\と言葉みじかに手紙をしたゝめ丸龜なる養子半四郎方へ急ぎ飛脚を遣はしたりさてまた半四郎は養父の安否あんぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)