つゆ)” の例文
それをお皿の上にさかさにして笠の裏を出して砂糖を少し振りかけておくと蠅がその匂いをぎつけて沢山あつまって来てそのつゆめます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... その杏のつゆを裏漉しにしてゼラチンで寄せたのです」大原「ゼラチンとは西洋にかわですね、先日僕もお登和さんから聞きました」妻君
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
皮をいて小さく切ってお砂糖を振かけて三、四時間置きますとお砂糖が溶けるに随って桃のつゆを呼び出して液が沢山出来ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
別に一斤の白砂糖を一合の水で煮立ててよく溶けた時熱い処を今の栗の上からかけて一晩置くと翌日あくるひは栗からつゆが出て少し濃くなっている。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
つゆの方はびんへいれてまた四十分間湯煎ゆせんにして固く栓をしておくと苺のシロップになります。これも湯冷ゆさましの水へ混ぜて飲ませると病人に結構です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
外の香料を入れてもその通りですが桃とか牡丹杏ぼたんきょうとかいちごとかパインナプルとかいうような菓物くだもの一旦いったん煮たものを裏漉うらごしにしてその肉とつゆとを一所に混ぜます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
初めから終いまでアクを取るのです。そうして二時間ばかり煮たらつゆと梅とを別にして梅をそのまま罎詰びんづめにしておいてもよし、丁寧ていねいにすれば裏漉にかけるとなお結構です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)