“微恙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びよう83.3%
びやう16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さきごろ微恙びようだったという便りを手にしたせいかもしれない。正造は、隣家の屋根へきて啼く鴉のこえをききながら、硯の蓋をとった。
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
彼は我が児以上に春琴の身を案じたまたま微恙びようで欠席する等のことがあれば直ちに使つかいを道修町に走らせあるいは自らつえいて見舞みまった。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
世の常ならば生面の客にさへ交を結びて、旅の憂さを慰めあふが航海の習なるに、微恙びやうにことよせてへやの裡にのみ籠りて、同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨に頭のみ惱ましたればなり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
く我は真意まごゝろを以て微恙びやうある友に書きおくれり。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)