微恙びやう)” の例文
世の常ならば生面の客にさへ交を結びて、旅の憂さを慰めあふが航海の習なるに、微恙びやうにことよせてへやの裡にのみ籠りて、同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨に頭のみ惱ましたればなり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
く我は真意まごゝろを以て微恙びやうある友に書きおくれり。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
世の常ならば生面せいめんの客にさへまじはりを結びて、旅の憂さを慰めあふが航海のならひなるに、微恙びやうにことよせてへやうちにのみこもりて、同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨にかしらのみ悩ましたればなり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)