“かみなり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カミナリ
語句割合
54.7%
雷鳴31.4%
神鳴5.1%
雷神3.6%
雷公2.2%
遠雷0.7%
電公0.7%
霹靂0.7%
鳴神0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もと直立ちよくりつしてゐたもので、たかさは七八十尺しちはちじつしやくもあつたものですが、二百年程前にひやくねんほどまへかみなりちたゝめにれたのだといふことでありました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
不思議なのは、雷狩をした年の夏は、屹度きつと雷鳴かみなりが少いといふ事だ。この雷狩は山や野原でするばかりでなく、またうみぱたでもやる。
その癖前に恐しかつた犬や神鳴かみなりなんともない。僕はをととひ(七月十八日)も二三匹の犬がえ立てる中を歩いて行つた。
鵠沼雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
窓から眺めやると、凄まじい雷光いなびかりが、雲を斬り、野面のづらをはためき、それに眼をふさぐ瞬間——思わず手は耳へ行って、五体に雷神かみなりのひびきを聞くのであった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうわけでなかなか世事に通じていた。たとえばどこそこでは雷公かみなり蜈蚣むかでのお化けをき殺した。どこそこでは箱入娘が夜叉のような子を産んだ。というようなことなど好く知っていた。
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「皆んな顏を揃へて、二階の遠雷かみなりの濟むのを待つて居た樣ですよ」
あ、いた! さう強くくから毎々球がころげ出すのだ。風早の球はあらいから癇癪玉かんしやくだまと謂ふのだし、遊佐のは馬鹿にやはらかいから蒟蒻玉こんにやくだま。それで、二人の撞くところは電公かみなり蚊帳かや捫択もんちやくしてゐるやうなものだ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と見るまに、天の一角にあたって、霹靂かみなりが鳴り、電光がはためき、ぽつ、ぽつ、と痛いような大粒の雨かと思ううち、それも一瞬で、やがて盆をくつがえすような大雷雨とはなってきた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あッ、待ちなよ、そのなりで家の中へ入られちゃたまらない——大丈夫、鬢の毛も顎の先も別条はねえ、鳴神かみなりだって見境があらァな、お前なんかに落ちてやるものか」