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雷鳴
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かみなり
ふりがな文庫
“
雷鳴
(
かみなり
)” の例文
「ヘエ、じゃないよ。
齧
(
かじ
)
り付いたら、
雷鳴
(
かみなり
)
が鳴っても離さないのが岡っ引のたしなみだ。見ればガン首も手足も無事じゃないか」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
不思議なのは、雷狩をした年の夏は、
屹度
(
きつと
)
雷鳴
(
かみなり
)
が少いといふ事だ。この雷狩は山や野原でする
許
(
ばか
)
りでなく、また
海
(
うみ
)
つ
辺
(
ぱた
)
でもやる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と、籠をかかえて女童は近くの
厩
(
うまや
)
の
廂
(
ひさし
)
へ逃げこんだ。白い雨が、一瞬
翔
(
か
)
けて行った。どこかに
雷鳴
(
かみなり
)
の落ちたような大きな音が近くでした。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
喉
(
のど
)
を痛めるぞ、ばかな
古狸
(
ふるだぬき
)
めが。気の毒だが、大声を出したってだめだ。まったく、
雷鳴
(
かみなり
)
とは聞こえないや、
咳
(
せき
)
くらいにしか思われない。」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
清「
此家
(
ここ
)
な
主人
(
あるじ
)
で、挨拶さっせえ、是は江戸の者だが雨が降って
雷鳴
(
かみなり
)
に驚き泊めてくれと云うが、
己
(
おれ
)
が
家
(
うち
)
でねえからと話して居る処だ、是が主人だ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
海の方からして、真黒な雲が出て来たと思うと、
早手
(
はやて
)
の風が吹起って、川浪も立てば、穂波も立ち、見る見る昼も夜の如く暗くなって、大夕立、大
雷鳴
(
かみなり
)
。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その大夕立のあとがまたさっぱり涼しくならず、いたずらに烈しい
雷鳴
(
かみなり
)
がしつこくしつこく鳴りつづけた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
いよいよ綱が残り少なくなりますと、不思議や今まで雲一ツ見えなかった空が、
俄
(
にわか
)
に墨を流したように
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
って来まして、
忽
(
たちま
)
ち
轟々
(
ごうごう
)
と
雷鳴
(
かみなり
)
が鳴り初め、風が吹き、雨が降りしきりまして
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
地気は
冷際
(
れいさい
)
を
限
(
かぎ
)
りとして
熱際
(
ねつさい
)
に
至
(
いた
)
らず、
冷温
(
れいをん
)
の二
段
(
だん
)
は地を
去
(
さ
)
る事甚だ
遠
(
とほ
)
からず。富士山は
温際
(
をんさい
)
を
越
(
こえ
)
て
冷際
(
れいさい
)
にちかきゆゑ、
絶頂
(
ぜつてう
)
は
温気
(
あたゝかなるき
)
通
(
つう
)
ぜざるゆゑ
艸木
(
くさき
)
を
生
(
しやう
)
ぜず。夏も
寒
(
さむ
)
く
雷鳴
(
かみなり
)
暴雨
(
ゆふだち
)
を
温際
(
をんさい
)
の下に見る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これ、フェチニヤ、羽根蒲団と枕と敷布を持っておいで、ほんとに、何という悪い天気になったものでございましょうね、ひどい
雷鳴
(
かみなり
)
さまで——
妾
(
わたし
)
は一晩じゅう
聖像
(
みぞう
)
にお
燈明
(
とうみょう
)
をあげていたんですよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
翌日になって村の人は不思議な
雷鳴
(
かみなり
)
について語りあった。
不動像の行方
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
雷鳴
(
かみなり
)
のような一言が己をはね飛ばした。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
雷鳴
(
かみなり
)
のように音高く聞いていたが
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「へエ、ぢや無いよ。
噛
(
かじ
)
り付いたら、
雷鳴
(
かみなり
)
が鳴つても離さないのが岡つ引のたしなみだ。見ればガン首も手足も無事ぢやないか」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それほど、何事かに恐れたのなら、逃げればよいのに、そうはしないで、
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んだまま
雷鳴
(
かみなり
)
にでも
痺
(
しび
)
れたように、そそけ立って震えていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ヘイ、
私
(
わたくし
)
は江戸の者でございますが、御当地へ参りまして、此の大雨に
雷鳴
(
かみなり
)
で、誠に道も分りませんで難儀を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
貴方
(
あんた
)
はん、また
雷鳴
(
かみなり
)
どつせ。どないしまほ、
妾
(
わて
)
あれ聞くと頭痛がしまつさ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「おや、今の夕立で船が沈んだか。それとも
雷鳴
(
かみなり
)
が落ちて、
微塵
(
みじん
)
になったか」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「この間の
雷鳴
(
かみなり
)
と云い、不思議なことじゃ」
不動像の行方
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
雷鳴
(
かみなり
)
。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「こんな筈ではなかったが——」といった、予想外な気持と、いつ一と
雷鳴
(
かみなり
)
来るかも知れない不思議な予感に脅えたのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:16 結婚ラプソディ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
みだれる雲——
疾風
(
はやて
)
の叫び——
行
(
ゆ
)
く
方
(
て
)
は
宵闇
(
よいやみ
)
ほど暗かった。時々、青白くひらめく稲妻が
眸
(
ひとみ
)
を射、耳には、おどろおどろ、遠い
雷鳴
(
かみなり
)
がきこえてきた。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新「成程そうでしょうねえ、
雷鳴
(
かみなり
)
には実に驚きまして、
此地
(
こっち
)
は
筑波
(
つくば
)
近
(
ぢか
)
いので雷鳴は
酷
(
ひど
)
うございますね」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
雷鳴
(
かみなり
)
のあとに、夕立の来るのはお
定
(
き
)
まりさ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
同時に、ピカリ、と凄まじい稲光り、灰色に沈んだ町の
家並
(
やなみ
)
が、カッと明るくなると、乾ききった
雷鳴
(
かみなり
)
が、ガラガラガラッと頭の上を渡ります。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夕立のあがり頃から、
田楽狭間
(
でんがくはざま
)
の
阿鼻叫喚
(
あびきょうかん
)
も、
雷鳴
(
かみなり
)
の行方と一緒に、遠く消えて、その後を、実に何のこともなかったように、
蝉
(
せみ
)
や
蜩
(
ひぐらし
)
が啼いている。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
市「なに関宿まで
参
(
めえ
)
りやして、野田へ廻ったり何かして、蒸汽で川俣まで参りまして雨に降られやしたが、でけえ
雷鳴
(
かみなり
)
で驚きやした、今朝は
腕車
(
くるま
)
で此処まで参りました」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
同時に、ピカリ、と凄まじい稻光り、灰色に沈んだ町の
家並
(
やなみ
)
が、クワツと明るくなると、乾ききつた
雷鳴
(
かみなり
)
が、ガラガラガラツと頭の上を渡ります。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
べったり、敵へ
貼
(
は
)
りついたまま、
雷鳴
(
かみなり
)
が落ちても離れそうもないぞ。敵にとっては、さぞうるさい
膏薬
(
こうやく
)
であろうな
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤城の方から
雷鳴
(
かみなり
)
がゴロ/\
雷光
(
いなびかり
)
がピカ/\その降る中へ手拭でスットコ
冠
(
かむ
)
りをした奧木茂之助は、裏と表の目釘を
湿
(
しめ
)
して、
逆
(
のぼ
)
せ上って人を殺そうと思うので眼も
暗
(
くら
)
んで
居
(
お
)
る。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
非常に
雷鳴
(
かみなり
)
の多いところで、甲州盆地や、上州の平野で育てられた雲の峰が、気流の関係で大部分は江戸の真上に流れ、此処で空中放電の大乱舞となって
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからまた
梅花
(
うめ
)
の月ヶ瀬が近くにあるので、鶯の
音
(
ね
)
は雪の解けない頃から、
雷鳴
(
かみなり
)
の多い季節まで絶えることはなく、その音色はまた、この山の水よりも清い。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茂之助が
軽躁
(
かるはずみ
)
な事を
為
(
し
)
はしないかと案じて来たから、どうか
其様
(
そん
)
な事のないようにと存じて頼まれても、一存で挨拶も出来ませんから、夫を福井町へ呼びに
往
(
い
)
きますると、大雨に
雷鳴
(
かみなり
)
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
平次がいきなり
大喝
(
だいかつ
)
すると、權八は
雷鳴
(
かみなり
)
に打たれたやうに、がばと身を起して居ずまひを直しました。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『拙者も、きょうは大丈夫と、
釜無川
(
かまなしがわ
)
の瀬へ、
鮠
(
はや
)
を釣りに出かけて居ったところ——あの
雷鳴
(
かみなり
)
だ』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「二階に寢ると
雷鳴
(
かみなり
)
が怖いし、
階下
(
した
)
に寢ると地震が怖く、入口が近いと泥棒が怖いと言ふので、巴屋でも中二階の
行燈
(
あんどん
)
部屋の片隅に、鼠のやうに息を殺して寢て居る」
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
きょうまで、どんなに苦労をしたろう、探したろう、そして、寝る間も——というような事を、女は、雨も
雷鳴
(
かみなり
)
も——
濡
(
ぬ
)
れる冷たさも、うつつに、
昂奮
(
こうふん
)
してしゃべった。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「二階に寝ると
雷鳴
(
かみなり
)
が怖いし、
階下
(
した
)
に寝ると地震が怖く、入口が近いと泥棒が怖いと言うので、巴屋でも中二階の
行燈
(
あんどん
)
部屋の片隅に、鼠のように息を殺して寝ている」
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
家の中を、
雷鳴
(
かみなり
)
があるいているように、何か、凄まじい物音をさせながら、武蔵は、歩いていた。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次がいきなり
大喝
(
たいかつ
)
すると、権八は
雷鳴
(
かみなり
)
に打たれたように、がばと身を起して居住いを直しました。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ひどい
雷鳴
(
かみなり
)
でした……」とか、「お一人でございますか」とか、今に向うの瓦小屋から、弦之丞が話しかけてくれはしまいかと、きまり悪さの物騒ぎを押さえている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あツ、待ちなよ。そのなりで家の中へ入られちやたまらない——大丈夫、
鬢
(
びん
)
の毛も
顎
(
あご
)
の先も別條はねえ。
雷鳴
(
かみなり
)
だつて見境があらアな、お前なんかに落ちてやるものか」
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いちど、
西廂
(
にしびさし
)
から
釣殿
(
つりどの
)
までを
雷鳴
(
かみなり
)
のように暴れ廻っていた高時は、やがてまた、とって返して
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
困つたことに、人の氣も知らない彌次馬が、近くから遠くから、ヌケヌケとした顏で、或は素知らぬ顏で、燃え付くやうな好奇の眼を光らせて、
雷鳴
(
かみなり
)
が鳴つても動きさうもありません。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また突然、山を裂くような
雷鳴
(
かみなり
)
だった。一瞬、天地は一色になり、豪雨に白く煙った。雨が去ると、沢の底地や崖には、
滝津瀬
(
たきつせ
)
とばかり流れる水と、濁流に
浸
(
つか
)
っている足もととを見出した。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すっぽんは喰いつくと
雷鳴
(
かみなり
)
がなるまで離れないというぜ。気をつけるがいい」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
(ごろごろと、ひと
雷鳴
(
かみなり
)
やって来れば、梅雨もここらで
霽
(
あ
)
がる頃だが)
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すつぽんは喰ひつくと
雷鳴
(
かみなり
)
がなる迄離れないといふぜ。氣をつけるが宜い」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ驚きました。生来、
雷鳴
(
かみなり
)
が大嫌いなものですから」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父親に声を掛けられると、お由利は
雷鳴
(
かみなり
)
に打たれたような驚きでした。
銭形平次捕物控:239 群盗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“雷鳴”の意味
《名詞》
雷 鳴(らいめい)
かみなり。かみなりの音。
(出典:Wiktionary)
雷
常用漢字
中学
部首:⾬
13画
鳴
常用漢字
小2
部首:⿃
14画
“雷鳴”で始まる語句
雷鳴嫌
雷鳴様