“孑孑”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ぼうふら73.9%
ぼうふり26.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふらふら孑孑ぼうふらのようだわね……あれから、上へ上へと見霽みはらしの丘になって、段々なぞえに上る処……ちょうどここと同じくらいな高さの処に、
「ふざけるなッ極悪人め。飲みたければ、てめえにはあとで、どぶ孑孑ぼうふらでも飲ましてやるから静かにしていろ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何となく、いつもと違っていた。スタンバイがかかったのに、船体はピクともしない。かん前の火夫や石炭庫のコロッパスは、デッキまで孑孑ぼうふらのように、その頭を上げに来た。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
孑孑ぼうふらの巣のようになっている戸外の天水桶が、障子の海老の髭あたりに、まぶしいほどの水映みばえを、来るべき初夏の暑さを予告するかのように青々と写しているのが心ゆたかに眺められた。
さて、お盃。なかなか飲める。……柳町で悩まされた孑孑ぼうふらが酔いそうなものではなかった。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
予山中岸辺で蝮を打ち殺したつもりで苔など探し居ると、負傷した蝮が孑孑ぼうふり様に曲り動いて予の足もとに滑り落ち来れるに気付き、再び念入れて打ち絶やした事三、四回ある。
あるいは、長五、六尺で面桶めんつうほど太く、頭が体に直角をなして附した状、槌の頭が柄に著いたごとしといい、あるいは長二尺ほどの短大な蛇で、孑孑ぼうふりまた十手を振り廻すごとく転がり落つとも
例えば何月何日にらいが鳴って何とかいう家におっこちたという通信種を、その家の天水桶に落雷して孑孑ぼうふりが驚いたという風に書いて、その孑孑の驚いたという事が社中一同大得意であったかと記憶する。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
はじめ四方の岡のうえに無数のほしがみえ、やがてそれが孑孑ぼうふりみたいに動きはじめ、次第に大きくなって鳥の形になり、黒い翼がみえ、声がきこえて、それはみな島をめがけて帰ってくる烏だということがわかる。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
孑孑ぼうふりの水や長沙ちゃうさの裏長屋
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)