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吊
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つり
ふりがな文庫
“
吊
(
つり
)” の例文
店先ではちょうど小僧が
吊
(
つり
)
ランプへ火をとぼして、夕暗の流れている往来へ、まだ煙の立つ
燐寸殻
(
マッチがら
)
を捨てている所だったのでございます。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
八畳の間の
吊
(
つり
)
ランプの下でするのですが、その片隅に敷いた床の中で、ばらばらという
幽
(
かす
)
かな音を聞きながら、いつしか私は
睡
(
ねむ
)
るのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
広びろした庭の
小砂利
(
こじゃり
)
をふんで、セーラー服や
吊
(
つり
)
スカートの少女たちが、三々五々つつましやかに歩き廻つてゐる。
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
お島はそう言いながら、そこにあった
花屑
(
はなくず
)
を取あげて、のそりとしている小野田の顔へ
叩
(
たた
)
きつけた。
吊
(
つり
)
あがったような充血した目に、涙がにじみ出ていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
振り仰ぐと二階と言つても、揚幕一枚をブラ下げたむき出しの
吊
(
つり
)
二階で、其處から火鉢を滑らせさへすれば、下に寢て居るお夢の頭の上に落ちるのは必然です。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
店の人は、巳之助がゆびさした大きい
吊
(
つり
)
ランプをはずして来たが、それは十五銭では買えなかった。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
十四のトム公は、生活力をスリ
減
(
へ
)
らした四十男をしりえに連れて、ぽかぽかと木靴を躍らして歩いた。
矮短
(
わいたん
)
な体をズボン
吊
(
つり
)
で締めて、メリケン
刈
(
がり
)
の頭へ
蟇
(
がま
)
の
疣
(
いぼ
)
みたいに光る鳥打帽を乗っけている。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高座には明るい
吊
(
つり
)
ランプの下に、白い鉢巻をした男が、長い抜き身を振りまわしていた。そうして
楽屋
(
がくや
)
からは朗々と、「踏み破る千山万岳の煙」とか云う、詩をうたう声が起っていた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
トム公は、ズボン
吊
(
つり
)
をしめ上げて、両手をもって、青空を突いた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吊
漢検準1級
部首:⼝
6画
“吊”を含む語句
吊下
吊洋燈
上吊
吊革
吊籠
懸吊
吊橋
宙吊
不吊合
吊天井
吊床
吊懸
吊皮
吊上
吊台
吊鐘
吊臺
吊手
首吊
引吊
...